家畜家禽糞に偏った有機栽培土壌の問題点

家畜家禽糞に偏った有機栽培土壌の問題点

タイトル家畜家禽糞に偏った有機栽培土壌の問題点
要約家畜家禽糞に偏った野菜の有機栽培土壌では、カリやリン酸等の成分が過剰に蓄積されやすく、肥料成分のアンバランスに基づく微量要素欠乏や、亜硝酸、塩素の蓄積の懸念もあり、かつ窒素の環境負荷発生が懸念されるため、土壌診断の重要性が指摘される。
担当機関近中四国農研 野菜部 畑土壌管理研究室
連絡先0773-42-0109
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらい近畿中国四国地域の小規模多品目の野菜産地では、有機認証制度の発足に伴い、この制度の活用により産地育成を図ろうとする流れが強まっている。しかし、肥料成分のすべてを有機物および天然資源の無機物を用いた野菜の施肥体系は、試みられてはいるものの、普遍化されていない。そこで、こうした有機栽培をめざしている京都府美山町農家のビニルハウス圃場を対象とし、土壌とその管理の実態を調査し、問題点の摘出を図る。
成果の内容・特徴1.
同町で野菜の有機栽培をめざしている農家は5戸であり、その圃場を調査したところ、いずれも3年間以上化学肥料を用いておらず、肥料成分の主要な部分を家畜家禽糞に 依存しており、植物性の有機物の使用は少ない。
2.
作土の化学性では、pH、ECは高く、交換性塩基含量、塩基飽和度も高く、特にカリ 過剰とそれによる苦土/カリ比のアンバランスが認められる。またリン酸過剰蓄積が 認められる圃場がある(表1、2)。
3.
作土において塩素および硫酸イオンの過剰蓄積や亜硝酸態窒素の障害の恐れのある圃 場がある(表2)。
4.
下層土においても、窒素、交換性塩基やリン酸の過剰蓄積が認められる圃場がある(データ略)。
5.
作土の窒素成分は、無機態、可給態および腐植態のいずれも著しく多く、数作は無肥 料で栽培できるほどの含量である(表3)。
成果の活用面・留意点1.
環境にも優しい有機栽培技術体系確立のための基礎資料として活用する。具体的には 家畜家禽糞に偏ってかつ多量施用された土壌の診断における参考資料とする。対策技 術の確立のためには、土壌中の成分の過剰を改善するための基礎研究が必要である。
2.
各圃場の主な有機物等の年間施用量(t/10a:N-P2O5-K2O)は以下のとおり。 A:発酵鶏 糞(1.5:6-7.3-4.8)、発酵牛糞(4:0.8-0.8-1.1)、B:牛糞堆肥(40:2.5-2.2-6)、C:牛 糞堆肥(10:同B)、D:発酵鶏糞(1.2:同A)、E:牛糞堆肥(2.7:同B)、。
3.
土壌は、C圃場が表層腐植質黒ボク土、他は礫質褐色低地土である。
具体的データ
表1
2
表3
予算区分21世紀7系
研究期間2001~2003
研究担当者堀 兼明、福永亜矢子、浦嶋泰文、須賀有子、池田順一
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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