水稲湛水条播機レンタル方式による湛水直播導入の所得改善効果

水稲湛水条播機レンタル方式による湛水直播導入の所得改善効果

タイトル水稲湛水条播機レンタル方式による湛水直播導入の所得改善効果
要約大規模水田作経営で水稲湛水条播機レンタル方式により、湛水直播を導入すると、最大3.1haの規模拡大と110万円の所得増加を期待できる。また、湛水直播を4ha以上導入すれば、移植栽培より60kg/10a減収しても、50万円以上の所得増加を期待できる。
キーワード水稲湛水直播、湛水条播機レンタル方式、大規模水田作経営、所得増加
担当機関滋賀県農業総合センター 農業試験場 栽培部
連絡先0748-46-3081
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらい近年、県内では水稲湛水条播機(以下、湛直機という)のレンタル方式による利用体制が整備されつつあり、それに伴い湛水直播(以下、湛直という)の普及面積が増加している。低米価の状況下で今後さらなる普及・定着を図るには、湛直導入効果を活用した経営体の育成が求められる。
そこで、県内で取り組まれている湛直機レンタル方式を前提に、家族労働力2人を基本とした大規模水田作経営を想定し、前提条件(表1,表2)に基づき数理計画モデルによるシミュレーション分析を行った。
分析に当たっては、湛直導入規模4水準(2ha、4ha、6ha、8ha)と減収リスク3水準(移植比90kg/10a、60kg/10a、30kg/10a)を考慮して、水稲作付規模拡大による所得改善効果を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 水稲を移植栽培のみで作付ける場合、限界規模は、水稲作付面積16.3ha、農業所得743万円となった。しかし、湛直を導入することにより、水稲作付面積の拡大が可能となり、所得増加を期待できる(図1)。
    ・規模拡大効果は、湛直導入面積の増加に伴い増加し、移植栽培のみで作付ける場合と比べ最大3.1ha(湛直導入規模8ha)の規模拡大が可能となる。
    ・所得改善効果は、湛直導入面積の増加に伴い増加傾向となり、移植栽培のみで作付ける場合と比べ、最大110万円(湛直導入規模8ha、減収30kg/10a)の所得増を期待できる。
    ・ただし、湛直導入面積の増加に伴い減収のリスクも大きくなり、特に、湛直導入規模が6ha以上で、90kg/10a減収した場合には、所得改善効果が著しく減少する。
  2. なお、水稲作付面積の拡大に伴い麦・大豆の作付けとの労働競合が発生し6月期の労働力の逼迫が想定される。
    家族労働力(2人・9hr/日・休暇日数週1日)のみで対応する場合、湛直導入規模に応じて1.0~2.7hr/人・日の労働時間の増加が必要となるため、臨時雇用労力の確保や、作業効率の向上等の対策が求められる(図2)。 
成果の活用面・留意点
  1. 湛直の普及・推進に際しての基礎資料として活用できる。
  2. 本分析結果を農業経営ハンドブック(滋賀県農政水産部、2002年)に反映させる。
  3. 分析に際しては、営農技術体系評価・計画システムFAPS2000(南石、2000年)を利用した。
具体的データ
表1
表2
図1
図2
予算区分単県
研究期間2001~2001
研究担当者中井譲、中橋富久、藤井吉隆
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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