早生ウンシュウの干ばつによる翌年の着花過多予測とその防止対策

早生ウンシュウの干ばつによる翌年の着花過多予測とその防止対策

タイトル早生ウンシュウの干ばつによる翌年の着花過多予測とその防止対策
要約早生ウンシュウの夏期の干ばつによる翌年の着花過多は、干ばつ進行中の果実肥大率の平年差または葉のしおれ角度から予測できる。また、収穫前後のジベレリンあるいは尿素の葉面散布によって、干ばつ翌年の着花過多が防止できる。
キーワード早生ウンシュウ、干ばつ、果実肥大率、葉のしおれ角度、着花過多防止
担当機関広島農技セ 果樹研究所 常緑果樹研究室
連絡先0846-45-1225
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、普及
背景・ねらい早生ウンシュウは夏期の干ばつによって、当年の樹勢低下、小玉果、酸高果の発生、さらに、翌年の着花過多など大きな影響を受ける。とくに、干ばつ翌年の着花過多は、それ以降の隔年結果を助長するため、深刻な問題となっている。しかし、干ばつの被害程度は経験的に判断されているが、その診断指標は明らかでない。そこで、翌年の着花過多が発生する干ばつ被害程度と、その診断指標および着花過多を防止するための対策を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 早生ウンシュウ(供試品種「興津早生」)は満開後40日目(6月下旬)からの干ばつ再現条件下で、日の出前の葉の水ポテンシャル(Ψmax)が-2.00MPa以下になると、翌年には着花過多となる(図1)。
  2. 葉の水ポテンシャル-2.00MPaは、果実肥大率の平年差で-25%、葉のしおれ角度で20°に相当し、これが診断指標となる。
  3. 干ばつ発生時に診断指標を超え、翌年に着花過多が予測される場合は、収穫後に1回のジベレリン25ppm溶液の葉面散布を行うと、翌年の着花数を減少させることができる(図2)。
  4. 干ばつがさらに進行し、果実肥大率の平年差-50%、葉のしおれ角度30°となった場合(葉の水ポテンシャル-3.00MPaに相当)には、収穫約1ヵ月前から7~10日毎に3回尿素0.3%溶液を葉面散布すると翌年の着花過多を防止することができる。
  5. 以上のことから、干ばつ翌年に着花過多となる被害水準とその診断指標および着花過多防止対策は表1のとおりとする。
成果の活用面・留意点
  1. 果実肥大率の算出基準日は満開後40日(6月下旬)とし、満開後110日(9月上旬)まで10日毎に果実肥大調査を実施する。なお、平年値は過去6年以上の果実横径データから算出する。
  2. 葉のしおれ角度の測定には、「葉のしおれメーター」を利用する(「近畿中国地域における新技術大33号(1998年)」170-173頁)。
具体的データ
図1
図2
図3
表1
予算区分地域重要新技術
研究期間1996~2000
研究担当者中元勝彦、中谷宗一、長谷川美穂子、平尾晃
発表論文なし
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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