モモの管理作業の軽労化と初期収量の増加を図れる一文字形整枝棚栽培

モモの管理作業の軽労化と初期収量の増加を図れる一文字形整枝棚栽培

タイトルモモの管理作業の軽労化と初期収量の増加を図れる一文字形整枝棚栽培
要約自然な立ち姿による栽培が可能なモモの一文字形整枝棚栽培を考案した。本整枝では開心自然形に比べて管理作業の軽労化が図られるとともに、初期収量が増加する。
キーワードモモ、一文字形、整枝、棚栽培、軽労化、初期収量
担当機関広島農技セ 果樹研究所 落葉果樹研究室
連絡先0846-45-1225
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらい広島県における一般的なモモの整枝法である、開心自然形では樹高が4~5mに達するため、作業効率が低く危険性も高い。そこで、自然な立ち姿で新梢と果実を管理することが可能な棚栽培法を考案し、作業性と果実形質・収量に及ぼす影響を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 自然な立ち姿を維持するため、頭と胸椎(胸の高さの背骨)が前後に傾く角度の上限は、頭が-20度~20度、胸椎が-5度~5度までが好ましく、作業する高さは、120cm~190cmとする(図1)。結果枝は、着生する果実が下または斜め横から見えるよう140cm以上の高さに配置する。さらに、精神的な圧迫感を軽減し、屈んだ姿勢で作業を行うことがないように、作業者が立つ位置には常に10cm以上のヘッドクリアランスを確保する。また、伸び上がって行う作業を無くすため、最も高い位置でも身長プラス20cmを超えない(図2のG)。
  2. 整枝法は図2に示すように、栽植した苗木から発生する新梢1本を主幹として垂直に誘引し、地上約135cmの高さで摘心する(A)。摘心後発生する上位2本の新梢(副梢)を主枝として地上140cmの高さで水平に誘引する(B、C)。主枝(副梢)から発生する新梢(副々梢)は、10~15cmに達した時点で基部の5葉を残して摘心する(D)。副々梢から発生する新梢(副々々梢)を上向き40度に誘引する(E、F)。その後、棚面に沿って水平に誘引し、栽植2年目以降は側枝として利用する(G、H)。最終的な側枝数は主枝1mあたり2本(片側1本)とし、側枝間隔は1mとする。結果枝は側枝および主枝から発生したものを利用して、棚面に均一に配置する。また、片側3mの主枝長を確保するため、栽植2年目には主枝先端約1mを上向き30度に誘引する。栽植間隔は、株間6.0m×条間2.8mとする(59樹/10a)。
  3. 水平に誘引した主枝から発生する新梢は、基部に近いほど、また、主枝の上面から発生するものほど伸長が旺盛なため、摘心により勢力の制御を行う(データ省略)。
  4. 主要な管理作業における脚立利用時間割合は、開心自然形の52~58%に対し、一文字形整枝では0%である(表1)。作業時の心拍数増加率は、開心自然形の130~134%に対し、一文字形整枝では117~124%と小さく、軽労化が図られる。管理作業の所要時間は、摘果、袋掛けおよび収穫で一文字形整枝が開心自然形と同等か短いが、せん定・誘引と摘心では長く、5作業の合計所要時間では、果実100kgあたりに換算すると一文字形整枝が18分長い。
  5. 果実形質は、一文字形整枝と開心自然形で差はほとんどないが、果肉硬度が一文字形整枝のほうが小さい傾向にある(表2)。1樹あたりの収量は、一文字形整枝が開心自然形より少いが、10aあたり収量では、一文字形整枝が開心自然形より4年生樹で38%、5年生樹で60%多く、初期収量の増加が認められる。
成果の活用面・留意点
  1. 摘心処理による新梢勢力の調節は、従来の整枝法にも応用できる。
具体的データ
図1
表1
図2
表2
予算区分県単
研究期間1997~2001
研究担当者加納徹治、今井俊治、山根崇嘉、松本要、西川祐司、赤阪信二
発表論文なし
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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