ユズ果皮中に含まれる植物生長阻害成分

ユズ果皮中に含まれる植物生長阻害成分

タイトルユズ果皮中に含まれる植物生長阻害成分
要約ユズ果皮の水溶性中性画分にはアブシジン酸のb-D-グルコピラノシルエステルが含まれ、メヒシバ、ノゲシ、シロザなどの雑草やレタス、トマト、セルリー、ズッキーニなど多種植物の発芽や生長を阻害する。
キーワードユズ果皮、雑草制御、生長阻害、アブシジン酸-b-D-グルコピラノシル
担当機関(独)農業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター 傾斜地基盤部 資源利用研究室
連絡先0877-62-0800 / seikoyo@affrc.go.jp / seikoyo@affrc.go.jp
区分(部会名)共通基盤
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類科学、普及
背景・ねらい近年、食品加工の工程で排出される残渣の廃棄処理が大きな問題となっている。カンキツ果実を加工する過程で大量に産出される果皮や果実のしぼり滓もその例外ではなく、処理コストの関係で大部分は産業廃棄物として処理されている。また、隔年結果性のあるカンキツは、豊作年に生産調整を目的とした摘果が行われるため、相当量の摘果果実が廃棄される。本研究は、有機資源の循環再利用技術の一環として、カンキツ果皮中に含まれる有用生理機能成分の探索を目的に行った。
成果の内容・特徴1.
カンキツ類の果皮から得られるアルコール抽出液にはレタス種子の発芽を阻害する生理活性成分が含まれる。中でも、ユズの果皮抽出液は非常に強い発芽阻害作用を示す(図1)。阻害活性は主としてユズの果皮に存在し、種子やじょうのうの活性は低い。ユズ果皮の生理活性は果実の成熟過程で変化し、11月に採果された果実に強い阻害活性が存在する。
2.
レタス種子に対する作用は致死的ではなく、ユズ果皮抽出液を含まないろ紙に種子を移すと発芽を再開する。
3.
ユズ果皮抽出液は、レタスだけでなく、トマト、セルリー、ズッキーニなど多種植物の種子発芽を強く阻害する。しかし、キュウリやカボチャ種子への作用は非常に弱い。
4.
土壌に添加したユズ果皮の乾燥粉体は、雑草のシロザ、ノゲシ、メヒシバの生長を阻害するが、スズメノテッポウに対しては阻害作用がなく、ユズ果皮に対する感受性は植物種によって大きく異なる(図2、図3)。
5.
最も強い生長阻害活性はユズ果皮の水溶性中性画分に存在し、その活性の本体はアブシジン酸のb-D-グルコピラノシルエステルである(図4)。本成分は、11月に採果されたユズの果皮1Kg(乾燥重)当たり約130mg含まれる。また、レタスの幼根及び胚軸の生長に対する本成分の50%阻害値は各々1.4、2.3μMである。
成果の活用面・留意点1.
食品加工の工程で排出されるユズ果皮の残渣は、効率的な抽出・精製法が確立されれば植物生長調節剤の原料として期待できる。
2.
耐寒性、耐湿性、耐乾燥性などユズに特徴的な生理特性の解明や高等植物一般におけるアブシジン酸の代謝研究に大きく寄与するものと考えられる。
具体的データ
図表
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予算区分バイオリサイクル
研究期間2000~2002
研究担当者加藤尚(香川大)、吉川省子、吉田正則、山村庄亮(慶応大)、清水徳朗、村上敏文、藤原伸介
発表論文1) Kato et al. (2002) Phytochemistry 61:849-853.
2) Fujihara and Shimizu (2003) Plant Growth Regulation 39(3):223-233.
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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