ロックウール耕での排液の循環再利用による切り花バラ栽培

ロックウール耕での排液の循環再利用による切り花バラ栽培

タイトルロックウール耕での排液の循環再利用による切り花バラ栽培
要約ロックウール耕による切り花バラの栽培施設からの排液は、砂と活性炭でろ過後に肥料成分を補正することで循環再利用が可能となる。この場合、切り花収量、品質はかけ流しとほぼ同等で、施肥窒素量を最大67%削減でき、排液の系外への流出はなくなる。
キーワードバラ、ロックウール耕、排液、循環再利用、切り花収量
担当機関広島農技セ 花き栽培研究部
環境資源研究部
連絡先0824-29-0521 / ngckaki@pref.hiroshima.jp / ngckaki@pref.hiroshima.jp
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらいバラのロックウ-ル耕による養液栽培では、かけ流し式を前提としているために余剰養液は施設外へ排出されている。このことが、河川や地下水の汚染の一因となると考えられ、環境負荷を軽減させるために簡易な排液循環再利用装置の開発が強く求められている。そこで、簡易な排液の循環再利用装置を開発したので、これを用いる場合の収量、品質および給液の養分組成に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴1.
バラに排液を循環再利用する場合には、排液率(総給液量に占める排液量の割合)を冬(12~3月)は20%、春(4~6月)と秋(10~11月)は30%、夏(7~9月)は40%になるように給液量を設定し、排液が均等に循環するよう管理する(表1)。排液の循環方法は、排液を貯留槽にいったん回収し、沈殿物や糸状菌を除去するために砂と活性炭で緩速ろ過し、愛知園試処方に基づいて新規作製した養液と排液を混合して給液する。
2.
排液は新規養液に比べて養分の過不足が生じるため、排液中の過剰成分は水で希釈し、欠乏成分は肥料を添加して補正する。愛知園試処方の養分組成に対して排液のNH4-N濃度は0、FeおよびMn濃度は1/2に低下しているため、成分相当量を添加する。
3.
ハイラック仕立て法で栽培した場合、1年間の1株当たりの切り花収量は、「ノブレス」の循環1、2および3処理区がかけ流しの30本よりも3~6本多い(図1)。「ローテローゼ」では循環1区のみがかけ流しよりやや少ない。
4.
循環方式による切り花栽培でも、植物体に要素の欠乏症や過剰症は発生しない。また、切り花の品質は、循環3区で切り花長がやや短くなる(表2)。
5.
新規作製養液の組成を100とすると、NO3-N、K、CaおよびMgの相対指数は排液を水で2倍に希釈する循環1区および循環2区で100をやや上回るがいずれも栽培許容範囲内である(表3)。しかし、排液を水で1.5倍に希釈する場合には、収穫期間が長くなるほど窒素と塩基類の濃度が著しく上昇するため、循環方式の養液管理には適さない。
6.
新規作製養液に含まれる1年間のNO3-N量は、かけ流し方式が10a当たり211kgであるが、その内の、85%の179kgが廃棄される。しかし、循環方式での新規作製量は、かけ流し方式の33~53%の70~112kgで、廃棄量はいずれも0である(表3)。
成果の活用面・留意点1.
栽培施設10aあたりの循環式排液再利用装置を自作する場合は約50万円である。
2.
農林水産技術等実用化研究促進事業において、本循環方式の養液管理指針を策定する。
具体的データ
図表
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予算区分国補(新技術)
研究期間2001~2002
研究担当者梶原真二、藤原朋子、國田丙午、延安弘行
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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