弱毒ウイルスを利用したキュウリウイルス病の防除

弱毒ウイルスを利用したキュウリウイルス病の防除

タイトル弱毒ウイルスを利用したキュウリウイルス病の防除
要約ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)の弱毒株2002を接種したキュウリは、その感染による収量への影響がほとんど無く、ZYMVに対して実用的な発病抑制効果を示す。
キーワードズッキーニ黄斑モザイクウイルス、弱毒ウイルス、キュウリ
担当機関京都農資セ 応用研究部
連絡先0774-93-3527 / kosaka@kab.seika.kyoto.jp / kosaka@kab.seika.kyoto.jp
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、普及
背景・ねらいキュウリの露地・抑制栽培では、ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)による凹凸果実や萎凋症状の被害が多発している。そこで、これらに対する弱毒ウイルスを利用した防除技術を開発する。
成果の内容・特徴
  1. ZYMVの弱毒株として2002を用いる。本株は、京都府内のキュウリより分離された強毒ZYMVから低温処理の繰返しによって選抜した弱毒株である。宿主範囲はキュウリなどのウリ科植物にほぼ限られ、無病徴か軽微なモザイク症状のみを示す。カボチャ感染葉から抽出したウイルス液を、カーボランダム法により、完全展開したキュウリ(穂木)の子葉に接種する。翌日、カボチャ(台木)に接ぎ木し、15~20日間育苗して定植する。
  2. 2002を接種したキュウリでは、ZYMVが著しく多発する条件になると、徐々に発病株が発生し始める傾向がみられる。しかし、奇形などの激しい病徴は明らかに抑えられ、その収量は無処理区を大きく上回る(図1、表1)。
  3. 2002接種苗は、ZYMVを含めた4種類のウイルスが混発している府内の農家ほ場に導入しても、他のウイルスとの重複感染による相乗的な病徴の激化は認められず、明瞭なモザイク症状や萎凋症状を現す発病株は無処理区よりも極めて少ない(表2)。
  4. 2002を接種すると、接ぎ木したキュウリの生育初期の葉はわずかに小さくなる。露地夏秋栽培やハウス抑制栽培では無病徴か、まれに軽微な退緑斑を現す程度で、収量や果実の外観品質は発病していない無接種株とほとんど差が無い(表3)。
  5. 以上のことから、ZYMV弱毒株2002の防除効果はほぼ実用的なレベルにあり、ZYMVの発生が少ないか無かった場合でも、その接種苗の導入によるリスクは極めて小さいと判断される。

成果の活用面・留意点
  1. ZYMV弱毒株を接種したキュウリ苗の導入は、ZYMVによる被害が大きい露地夏秋栽培やハウス抑制栽培などが適している。
  2. 2002を接種した接ぎ木キュウリ苗の安定育苗法は、民間種苗会社との共同研究によっ てすでに確立している。現在、大量接種法を確立するため自動接種装置を開発中である。

具体的データ
図表
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予算区分受託(文部科学省科学技術振興調整費・先導的研究等の推進)
研究期間2001~2003
研究担当者塩見 寛(タキイ種苗)、小坂能尚、小堀 崇、津田和久、片岡光信
発表論文1)小坂ら(2003)日植病報69:320.
特許出願(公開)2)弱毒ズッキーニ黄斑モザイクウイルスを用いたウリ科作物ウイルス病の防除方法(特願2003-54736).
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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