バラの排液独立循環式養液栽培システムにおける培養液管理法

バラの排液独立循環式養液栽培システムにおける培養液管理法

タイトルバラの排液独立循環式養液栽培システムにおける培養液管理法
要約排液独立循環式養液栽培システムにおけるバラ栽培では、基本培養液と補充用培養液にそれぞれ適した培養液処方を使用する。一方、循環給液する培養液の濃度は夏期EC1.1dS/m、冬期EC1.5dS/mに管理し、30日毎に更新することで非循環式と同等の収量、品質が得られ、施設外へのNO3-N排出量は72%削減できる。
キーワードバラ、排液独立循環、環境保全、養液栽培
担当機関和歌山県農林水産総合技術センター 暖地園芸センター 園芸部
連絡先0738-23-4005 / itou_y0003@pref.wakayama.lg.jp / itou_y0003@pref.wakayama.lg.jp
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらい養液栽培では、使用済み培地の処理および大量の排液による環境負荷が懸念されている。このため、バラの栽培に適した循環式養液栽培システムを開発し、非循環(かけ流し)式と同等の収量、品質が得られる養液栽培技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 排液独立循環式とは、タンクに回収された排液を独立した給液ラインで再度循環給液し、 1日あたりに消費された養水分を既設の給液装置から培地に給液する方式である。
  2. ロックウール培地を使用したバラの排液独立循環式養液栽培では、基本培養液に改良オランダ循環処方、補充培養液に培養液の成分濃度の変化を基に作成した暖地園芸センターバラ補充処方を用いる(表 1)。
  3. 循環給液する培養液の濃度を冬期(11~ 3月)EC1.5dS/m、夏期( 4~10月)EC 1.1dS/mとすることで慣行の非循環式とほぼ同等の収量および品質の切り花が得られる(表 2)。
  4. 培養液の更新までの日数が長くなると、収量、切り花長および切り花重とも劣る。45日の切り花重は対照の非循環に比べて有意差が認められることからも、培養液は少なくとも30日毎に新しい基本培養液に取り替える必要がある(表 3)。
  5. 施設外への排液量は、循環15日更新および循環30日更新とも非循環に比べて60%以上削減である。同様にNO-N排出量は、循環15日更新がおよそ57%、循環30日更新が72%削減できる(表 4)。

成果の活用面・留意点
  1. 本栽培は、「ローテローゼ」の挿し木苗をロックウールマット(縦90cm×横20cm×厚7.5cm)に10株 1条植えとし、樹形はアーチング仕立てである。
  2. 培養液を入れるタンクの容量は、10a(6,000株相当)当たり15m必要である。
  3. 循環給液する培養液の濃度は、補充培養液の濃度でコントロールする。補充培養液の濃度を夏期EC0.3~0.5dS/m、冬期EC0.75~1.3dS/mの範囲で給液する。 1日あたりの給液量は、非循環式と同量とする。
  4. 再循環する培養液には、細かいゴミや不溶性の不純物が含まれる。これらによるチューブの目詰まりを防止するため、必ず循環給液側に濾過器を設置し、定期的に掃除する。

具体的データ
図表
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予算区分国補(新技術)
研究期間2001~2003
研究担当者伊藤吉成、宮前治加、神藤 宏
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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