タイトル | キュウリ黄化ウイルスが生育初期に感染した露地キュウリにおける病徴推移 |
要約 | オンシツコナジラミを用いてキュウリ黄化ウイルスを接種したキュウリには接種約20日後の下位葉に部分黄化症状が生じる。また、接種約25日後の中位葉に淡黄色症状が接種30~60日に退緑斑,黄緑色症状が現れる。黄化粗剛症状は接種55日以降にみられる。 |
キーワード | キュウリ、露地栽培、黄化病、病徴推移、キュウリ黄化ウイルス |
担当機関 | 愛媛県農業試験場 生産環境室 |
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作物育種室 |
連絡先 | 089-993-2020 / nao-masahiro@pref.ehime.jp / nao-masahiro@pref.ehime.jp |
区分(部会名) | 近畿中国四国農業 |
分類 | 科学、参考 |
背景・ねらい | 愛媛県の露地キュウリで2002年から黄化病の発生がみられ、施設栽培よりも病勢進展が著しいことを確認している。露地キュウリにおいて、キュウリ黄化病が激発する要因としては定植直後のキュウリ苗への保毒オンシツコナジラミ寄生が考えられる。そこで、幼苗期に接種したキュウリを用いて、本病が露地栽培で発生した場合の急速な病徴進展の推移を明らかにする。
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成果の内容・特徴 | - 保毒オンシツコナジラミを用いてキュウリ黄化ウイルスを本葉2~3枚展開キュウリ苗に接種し、露地圃場に定植した後に生じる退緑斑葉、淡黄色葉、黄緑色葉、黄化粗剛葉は現地の自然発病キュウリでみられる症状と同じである。なお、淡黄色葉とは葉表が淡く黄化し、葉裏にツヤがなくなり、葉脈間に退色小斑点が生じた葉を示す。
- 部分黄化症状は接種約20日後に保毒オンシツコナジラミが寄生した葉にみられる。
- 淡黄色症状は接種約25日後にみられる。
- 退緑斑症状、黄緑色症状は接種30~60日にかけて継続してみられる。
- 最終的な病徴となる黄化粗剛症状は接種55日以降にみられる。
- 以上の病徴推移は今回供試した愛媛県内の露地キュウリの主要品種である「夏すずみ」、「Vロード」、「T-191」、「ステータス夏Ⅲ」でそれぞれ確認され、各品種ごとの病徴発現時期は、ほぼ同じである。
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成果の活用面・留意点 | - 本病徴推移は、キュウリの生育初期にキュウリ黄化ウイルスの接種・感染により発病させた特徴である。
- 露地キュウリの中位葉においてみられる淡黄色症状から退緑斑、黄緑色症状への移行は黄化病の典型的な病徴推移である。
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具体的データ |
図1 |
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図2 |
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予算区分 | 国補(植物防疫) |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 | 奈尾雅浩、栗坂信之 |
発行年度 | 2005 |
収録データベース | 研究成果情報 |