ウメ生産農家の経営効率格差とその要因

ウメ生産農家の経営効率格差とその要因

タイトルウメ生産農家の経営効率格差とその要因
要約ウメ生産農家の経営効率には、単位面積当たり収量や樹齢構成、白干ウメの品質などが影響している。効率的経営は樹齢構成を適正に保ちながら、施肥や防除等の基本的な栽培管理を毎年実践し、品質と収益の向上を追求している。
キーワードウメ、経営効率、DEA
担当機関和歌山農総技セ 農試 栽培部
連絡先0736-64-2300 / tsuji_k0008@pref.wakayama.lg.jp / tsuji_k0008@pref.wakayama.lg.jp
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらいウメ生産農家の経営では、収量や売上高において農家間差が大きく、今後、価格低下が進むと小規模で低収量の農家は脱落することが懸念される。産地を維持していくには効率の低い経営を高能率な経営へと引き上げるための経営改善策の確立が必要である。ここでは、DEA(包絡分析)を用いて効率的経営を抽出し、ウメ生産農家の経営効率に影響を及ぼしている栽培管理や経営者の意識などの要因について検討する。
成果の内容・特徴
  1. DEAを用いて計測したウメ生産農家の経営効率指数は、0.39~1.00に幅広く分布しており、農家間の経営効率差が大きいことを示す(図1)。
  2. ウメの販売額が粗収益の8割以上を占めるウメ専作経営について、経営指標と経営効率の相関関係をみると、10~25年生の成木の比率が高く樹齢構成の適正化に取り組む経営、ウメ栽培に特化した経営の効率の高まる傾向がみられる。また、経営効率と10a当たり販売額・収量等との間に強い相関がみられることから、10a当たり収量が増加すれば経営効率が高まる。白干ウメへの加工率や品質も経営効率に影響する(表1)。
  3. 栽培管理の実施状況をみると、経営効率の高い農家グループほど元肥や石灰の施用、病害虫の適期防除、園地ごとの防除管理などの実施率が高く、しかも過去、現在ともによく似た傾向を示す(表2)。
  4. 経営効率の高い経営では、経営成果の比較対象として「周囲の農家」を回答する農家が多いのに対して、経営効率の低い経営では「特にない」との回答が多い。また、経営管理の関心についてみると、経営効率の高い経営では「品質向上」を目標としている農家が多い(表3)。
  5. 経営効率の高い経営は施肥や防除などの基本的な栽培管理を毎年実践し、品質向上を意識しながら周囲の農家等との経営成果の比較を行うなど収益向上を追求している経営である。
成果の活用面・留意点
  1. ウメ生産農家の経営改善策を策定する際の参考となる。
  2. DEAでは、同種の投入要素と産出要素をもつ経営グループの実績データから効率が最大となる経営を求め、それを基準として個々の経営の相対的な効率性を求めている。ここでは投入要素として、ウメ栽培面積(アール)、ウメ以外の作物の栽培面積(アール)、農業専従者数(人)、農業経営費(万円)の4種類を、産出要素として、ウメ販売額(万円)、ウメ以外の販売額(万円)の2種類を用いている。
具体的データ
図1
表1
表2
表3
予算区分県単(和歌山県戦略的研究開発プラン事業)
研究期間2003~2005
研究担当者辻 和良、熊本昌平、大西敏夫(大阪府大)、藤田武弘(大阪府大)、小西博文(紀南農協)
発行年度2005
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat