タイトル | カキ「刀根早生」の早期加温栽培における低コストCO2施用法 |
要約 | カキ「刀根早生」の早期加温栽培において、開花期から加温停止時まで約3ヶ月間、CO2を灯油燃焼式で終日施用するか液化CO2で日の出前1時間より5時間施用(早朝施用)すると、当年の果実重と翌年の着花数を増加させることができる。また、ランニングコストは慣行の液化CO2による終日施用の1/3~1/2に低下する。 |
キーワード | カキ、「刀根早生」、加温栽培、CO2施用、花芽、果実重、コスト |
担当機関 | 奈良農技セ 果振セ 果樹栽培チーム |
連絡先 | 0747-24-0061 / imagawa@naranougi.jp / imagawa@naranougi.jp |
区分(部会名) | 近畿中国四国農業 |
分類 | 技術、普及 |
背景・ねらい | 前年の12月下旬から加温を開始し7月上旬から収穫するカキ「刀根早生」の早期加温栽培では、翌年着花が減少し生産が不安定となる。ハウス柿の安定生産のためには、早期加温栽培における花芽分化時期を明らかにするとともに、着花確保の対策を確立する必要がある。着花確保対策としては、液化CO2による終日施用により、当年の果実重と翌年の着花数が増加することは報告されているが、販売単価の低下傾向の中、より低コスト化を図る必要がある。そこで、灯油燃焼方式による終日施用や液化CO2による早朝施用について検討する。
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成果の内容・特徴 | - 早期加温栽培では、花芽数は満開6~8週後にかけて急増し、それ以降はほとんど増えない(表1)。
- 灯油燃焼方式で終日CO2施用することにより、ハウス内CO2濃度は晴天時には日の出2時間30分後に約1,600ppm、曇天時には日の出4時間30分後に約2,500ppmまで高くなる(図1)。
- 開花期から加温停止時(着色開始直前)まで約3ヶ月間、CO2を灯油燃焼方式により終日施用するか液化CO2により目標を1,500ppmに設定し日の出前1時間より5時間施用(早朝施用)することで、当年の果実重と翌年の着花を増加させることができる(表2)。
- 灯油燃焼方式による終日施用や液化CO2による早朝施用のランニングコストは、慣行の液化CO2による終日施用の1/3~1/2に低下する。
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成果の活用面・留意点 | - CO2施用で果実重が増加することにより、増収効果も期待できる。
- CO2施用をした翌年は着花が増加するので、葉果比8~11となるように摘らいや摘果を行い、着果過多にならないように努める。
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具体的データ |
表1 |
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図1 |
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表2 |
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表3 |
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予算区分 | 超省力園芸 |
研究期間 | 2000~2002 |
研究担当者 | 今川順一、杉村輝彦、脇坂 勝 |
発表論文 | 今川ら(2005)園学研4(1):47-50 |
発行年度 | 2005 |
収録データベース | 研究成果情報 |