高親水性不織布を利用した不織布灌水法と雨よけによるイチゴ炭疽病伝染抑制効果

高親水性不織布を利用した不織布灌水法と雨よけによるイチゴ炭疽病伝染抑制効果

タイトル高親水性不織布を利用した不織布灌水法と雨よけによるイチゴ炭疽病伝染抑制効果
要約点滴チューブと親水性の高い不織布を小型成型トレイ上部に置き、植穴に直接灌水を行う給水方法は、水滴飛散が無く、従来の頭上灌水よりイチゴ炭疽病菌の伝染を抑制し、雨よけを併用すれば、著しく高い伝染抑制効果がある。加えて各株への確実な給水が可能である。
キーワードイチゴ炭疽病、育苗、灌水、伝染抑制、不織布
担当機関徳島県立農林水産総合技術支援センター 病害虫担当 野菜園芸担当
連絡先0883-24-2217 / yonemoto_kengo_1@pref.tokushima.lg.jp / yonemoto_kengo_1@pref.tokushima.lg.jp
区分(部会名)近畿中国四国農業
専門生産環境(病害虫)
分類技術、普及
背景・ねらいイチゴ育苗を省力・省スペース化するため簡易雨よけ施設を用いた小型成型トレイ挿し芽育苗技術を開発したが、頭上灌水のため水滴による炭疽病の蔓延や灌水ムラ等による根痛みの発生が問題である。そこで、小型成型トレイ上に敷いた高親水性不織布に点滴チューブにより給水させ、切り口からイチゴ株元へ直接灌水する技術を開発し、イチゴ炭疽病の蔓延を防ぐとともに株毎の灌水量が均一化することにより安定的なイチゴ良苗生産システムを確立する。
成果の内容・特徴
  1. 開発した不織布はU社製の底面給水用資材を小型成型トレイ上面にかぶさる大きさで、植穴部分は苗を取り出しやすいように中心から放射線状に切れ込みを入れている。また、中心部には水を誘導するため、短冊状の誘導弁をつけている。水の供給は各トレイへの給水差を少なくするため点滴チューブを用いる(図1)。
  2. 本灌水方法は慣行である頭上灌水と比較して、水滴による本病原菌の飛散がほとんど無いため、本病に対する伝染抑制効果がある。また、雨よけを併用すると頭上からの水滴飛散が皆無となるため、極めて高い伝染抑制効果がある(図2)。
  3. 本灌水方法は慣行である頭上灌水と比較して、雨よけを組み合わせることにより、灌水の度に上がる湿度を低く抑え、仮に育苗中、本病が発生しても発病した株の病勢進展を抑制する効果がある(図3)。
  4. 慣行の頭上灌水と比較して各株ごとへの給水量の差が少なく、すべての株への給水が可能である(表1)。また、本技術は本不織布、点滴チューブを加えるだけで既存の施設を有効に利用できる。
成果の活用面・留意点
  1. 本法は本病の蔓延を防ぐものであって、本病を直接的に防除するものではない。
  2. 不織布灌水単独では本病伝染抑制効果が低下するため、雨よけとの併用が必要である。
  3. 不織布は常時湿った状態を保たなければ灌水ムラの原因となる。また、育苗棚が水平なほど均一な灌水が行える。
  4. 従来のポット受け苗方法への応用が可能である。
  5. 親株からの炭疽病菌の侵入を防ぐ技術と併用すればより防除効果が高まる。
  6. 灌水用の点滴チューブはドリッパー間隔10㎝のものを利用し、灌水回数5~6回/日、灌水時間7分/回で、1点滴孔を10~15ml/分の条件が適当である。
具体的データ
図1
図2
図3
表1
予算区分県単
研究期間2005~2007
研究担当者米本謙悟、広田恵介、三木敏史、今井健司、山下ルミ、板東一宏
特許出願(公開)特許公開「種苗の育苗装置」特開2006-288392
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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