堆肥を施用した細粒灰色低地土水田における温室効果ガスの発生とメタンの削減

堆肥を施用した細粒灰色低地土水田における温室効果ガスの発生とメタンの削減

タイトル堆肥を施用した細粒灰色低地土水田における温室効果ガスの発生とメタンの削減
要約牛ふん籾殻堆肥を施用した細粒灰色低地土水田では、発生する温室効果ガスの98%(呼吸によるCO2放出量を除く)がメタンであり、無代かき栽培によりメタンの発生量を18~39%削減できる。
キーワードイネ、細粒灰色低地土、堆肥、温室効果ガス、メタン、無代かき栽培
担当機関京都農総研 環境部
連絡先0771-22-6494 / a-konishi01@pref.kyoto.lg.jp / a-konishi01@pref.kyoto.lg.jp
区分(部会名)近畿中国四国農業
専門生産環境(土壌)
分類参考、技術
背景・ねらい家畜排せつ物は堆肥化すると有効な土づくり資材として利用できるが、堆肥施用に伴い水田から発生する温室効果ガスが増加するため、環境保全型農業を推進するに当たって、温室効果ガスの発生を 少なくする土壌管理が求められている。

そこで、堆肥を施用した細粒灰色低地土水田から発生するメタン・亜酸化窒素を測定し、大気中に揮散する炭素・窒素成分を把握するとともに、メタンの発生抑制効果が期待できる無代かき栽培において、堆肥施用時の温室効果ガス削減効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 牛ふん籾殻堆肥を施用した細粒灰色低地土水田(代かき栽培)において、水稲の生育期間中に発生する温室効果ガスは、呼吸によるCO2放出量を除けば大部分(CO2に換算して98%:H14-18年の平均値)がメタンであり、温室効果に対する亜酸化窒素の寄与は少ない (表1)。
  2. 無代かき栽培により、堆肥施用に伴い増加するメタンの発生を生育期間中の総発生量の18~39%削減できる(表1、図1)。
  3. 亜酸化窒素の発生量は無代かき栽培により増加するが(代かき栽培の31~66%増)、メタンと比較して温室効果に対する亜酸化窒素の寄与は少ないので、問題はない (表1)。
  4. 生育の前期では、無代かき栽培により酸化還元電位(10cm深)が高めに推移する。中干し後の酸化還元電位には明確な差は見られない(図2)。
  5. 無代かき栽培により、収量がやや(3~9%)減少するが、食味の目安となる粗タンパク質含量が低くなることから、食味は向上すると推定される(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は細粒灰色低地土水田で栽培した水稲(品種コシヒカリ)に適用できる。
  2. 無代かき栽培では施肥効率や除草剤の効果を上げるために、畦畔からの漏水に注意が必要である。
  3. H18年度のように中干し時期の降水量が多い場合は(316mm)、中干しの効果が十分認められないことがある。
具体的データ
表1
図1
図2
表2
予算区分受託(環境負荷低減農業技術確立実証事業)
研究期間2002~2006
研究担当者小西あや子、中島博道、松本次郎
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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