1~3か月間の品質保持に適したクリ生果の貯蔵方法

1~3か月間の品質保持に適したクリ生果の貯蔵方法

タイトル1~3か月間の品質保持に適したクリ生果の貯蔵方法
要約クリ生果を1~3か月間品質保持する方法としては、果実重の減量やかびの発生、食味等の点から、温度は5℃よりも2℃、資材ではポリ袋や鮮度保持(ヒノキチオール練り込みポリ)袋の使用が適当である。
キーワードクリ、貯蔵、果実品質
担当機関兵庫農総セ 農技セ 園芸部
連絡先0790-47-2424
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、普及
背景・ねらいクリ生果の品質は、硬くツヤのある鬼皮のイメージと異なり、短時間に低下しやすい。そこで、現場に既に導入されている冷蔵庫や資材を用い、出荷期調整や食味向上(1992)をねらった生果の収穫後1~3か月間の品質保持に適した貯蔵方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 果実重の変化は、2℃ではネット袋、コンバイン袋、不織布袋が大きく、1か月後には約10%以上の減量となり、鬼皮のツヤが失われ、果肉の萎凋も明らかで、生果実としての商品性が著しく低下する。一方、ポリ袋および鮮度保持袋は3か月後でも2~3%の減量にとどまり、鬼皮のツヤや果肉の水分が保持される。逆に、オガクズでは水分の吸収により1か月後には6%程度重量が増加する(図1)。5℃でもほぼ同様の傾向であるが、ポリ袋の果実重の変化は3か月後でも小さい(図2)。
  2. 果実表面におけるかびの発病程度は、2℃ではいずれの資材も貯蔵1か月後は比較的低く、2か月後から高くなるが、5℃のネット袋やコンバイン袋は貯蔵1か月後から高い。いずれの温度でもオガクズは発病程度が低く、鮮度保持袋やポリ袋も比較的低い。なお、2℃のポリ袋、鮮度保持袋およびオガクズでは、貯蔵3か月後でも果実内部の腐敗は認められない(表1)。
  3. 生果実のBrixは、いずれも収穫時より高くなるが、2℃ではポリ袋や鮮度保持袋に比べて、乾燥、萎凋が著しいネット袋、コンバイン袋、不織布袋が高く、逆にオガクズは最も低い。5℃でも同様の傾向であるが、コンバイン袋、オガクズなどのBrixは2℃に比べてやや低い(表2)。
  4. 蒸しグリの食味はいずれの時期も他の資材と比較して2℃のネット袋が最も優り、逆に両温度のオガクズは劣る(表2)。また、ポリ袋は5℃と比べて2℃の食味が優る。
  5. 以上から、クリ生果実を1~3か月品質保持するには、温度はかびの発生や腐敗が少ない等から2℃が良い。また、資材では貯蔵庫の湿度条件等にかかわらず果実重の減量、かびの発生が少なく、食味も比較的良いポリ袋や鮮度保持袋が適当である。
成果の活用面・留意点
  1. 貯蔵用には健全な果実を選別し、貯蔵庫内や資材も清潔に保つ。
  2. かびの発生を抑えるには、果実表面の水分を乾燥させてから資材に入れる。また、貯蔵中に発生した果実表面のかびは、出庫後に拭き取れる。
  3. ポリ袋等に最大20kg程度入れ、収穫用コンテナで貯蔵する。
  4. 品種によって貯蔵性にやや差はあるが、‘銀寄’以外の品種にも適用できる。また、3か月を越えると2℃でも品質の低下や品種によっては発根が著しくなる。
  5. 0~-2℃で貯蔵可能な冷蔵庫を用いると、品質保持やデンプンの糖化による食味向上の効果はより高い。
具体的データ
図1
表1
図2
表2
予算区分県単
研究期間2006~2010
研究担当者水田泰徳、高木 廣、真野隆司
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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