シルバーポリマルチがタマネギ「ソニック」のケルセチン含量と生育に及ぼす影響

シルバーポリマルチがタマネギ「ソニック」のケルセチン含量と生育に及ぼす影響

タイトルシルバーポリマルチがタマネギ「ソニック」のケルセチン含量と生育に及ぼす影響
要約タマネギ「ソニック」において、シルバーポリマルチによる被覆栽培でタマネギの機能性成分であるケルセチン含量が無マルチ栽培より高くなる。また、マルチを用いることで、堆肥のみの全量基肥栽培でも生育を確保できる。
キーワードタマネギ、ケルセチン、マルチ、有機物・化成肥料連用
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センター 環境保全型野菜研究チーム
連絡先0773-42-0109
区分(部会名)近畿中国四国農業
分類技術、参考
背景・ねらい
タマネギは抗酸化活性を持つケルセチンを多く含み、機能性の面で注目されている。しかし、ケルセチン含量と栽培条件との関係はほとんど明らかとなっていない。また、品質を維持、あるいはさらに高める栽培技術も求められている。そこで、マルチによる被覆栽培がケルセチン含量に及ぼす影響、並びに品質制御に関与する栽培・土壌管理条件としての効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. オガクズ豚糞堆肥・イナワラ牛糞堆肥・CDU化成肥料を全量基肥として施用し、シルバーポリマルチを用いて被覆栽培すると、無マルチ栽培よりタマネギのケルセチン含量が高くなる(図1)。
  2. 年次によりケルセチン含量は変動するが、無マルチ栽培に比べてマルチ栽培で高い傾向は同様に見られる(図2)。
  3. L球、M球ともにマルチ栽培によりケルセチン含量が増加する傾向があり、タマネギの主要なケルセチンであるケルセチン3,4ジグルコシドおよびケルセチン4グルコシドでは、特にケルセチン4グルコシドの増加が顕著である(図3)。
  4. 単位面積あたりの球重は施肥量の増加に伴い増加し、また、マルチ栽培で大きくなる傾向が認められる(無マルチ栽培で2.2~7.4 kg/m2、マルチ栽培で5.6~8.8kg/m (図4)。このように、タマネギ「ソニック」では、オガクズ豚糞堆肥、もしくはイナワラ牛糞堆肥のみを用いた全量基肥栽培でも、マルチ栽培により京都府目標(5kg/10a)程度の収量を得ることができる。なお、単位面積あたりの球重とケルセチン含量との間に相関はない(データ略)。
成果の活用面・留意点
  1. タマネギのケルセチン含量は収穫後に増加する傾向があるため、収穫翌日に外皮を取り除き、各処理区ごとに5~10球を櫛形対角に縮分・凍結乾燥後70%メタノールで抽出(2006年)、もしくは生サンプルをフードプロセッサーで粉砕して均一に混ぜ、直ちに70%メタノールを用いて抽出(2008年)し、HPLCによりケルセチン配糖体を測定する。
  2. ケルセチンの変動機構については未解明であり、タマネギのケルセチン含量を維持、もしくはより高める栽培に寄与するための基礎的知見として活用する。
具体的データ
図1 マルチがタマネギのケルセチン含量に及ぼす影響(2008 年L 球、収穫直後)
図2 マルチがタマネギのケルセチン含量に及ぼす影響(2006 年L 球、収穫直後)
図3 マルチがタマネギのケルセチン3,4 ジグルコシド(Q3,4G)およびケルセチン4 グルコシド(Q4G)含量に及ぼす影響(2008 年)
図4 収穫期の球重(2008 年)
予算区分基盤、交付金(強化費)
研究期間2006~2008
研究担当者福永亜矢子、池田順一、須賀有子、堀兼明、小森冴香
発行年度2008
収録データベース研究成果情報

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