タイトル | スイカ灰白色斑紋ウイルス(WSMoV)によるツルナ黄化えそ病(新称) |
要約 | ツルナに黄化、えそ斑点症状を呈するウイルス様の病害の病原ウイルスはスイカ灰白色斑紋ウイルスと同定されたので、本病をツルナ黄化えそ病と命名する。沖縄県農業試験場・病虫部・病理研究室 |
担当機関 | 沖縄県農業試験場 病虫部 病理研究室 |
連絡先 | 098-884-9908 |
区分(部会名) | 九州農業 |
専門 | 作物病害 |
研究対象 | 野菜類 |
分類 | 研究 |
背景・ねらい | 読谷村渡慶次のメロンハウス横で栽培されているツルナにウイルス様症状を呈した株が発見された。ウイルス検定を行った結果、WSMoVが検出された。ツルナからWSMoVが検出されたのは初めてであるためウイルスの分離・同定を行うとともにウリ科作物において媒介試験を行った。
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成果の内容・特徴 | - 読谷村渡慶次から採集したツルナは、顕著なウイルス症状(黄化、えそ斑点)を示していた(図1)。
- 本ウイルスはモノクローナル抗体を用いたELISAで、WSMoV抗血清とのみ反応し、トマト黄化えそウイルス(TSWV)とは反応しなかった(表1)。
- 罹病ツルナには電子顕微鏡観察で、80~100nmの単独および膜状構造物内の複数の球状粒子が観察された(図2)。
- 本ウイルスは、ヘチマ、メロン、スイカを含む6科14種に感染性が認められる(表2)。既報のWSMoVの寄主範囲と比べて範囲が狭い。
- 本ウイルスはキュウリ、メロン、スイカでミナミキイロアザミウマによって媒介されるが、モモアカアブラムシによる媒介は確認されない(データ省略)。
- WSMoVモノクローナル抗体に強く反応すること、粒子の大きさが類似していること、数種ウリ科に感染性が認められること、ミナミキイロアザミウマによって媒介されることから、ツルナに感染しているウイルスはWSMoVであると同定される。野外から本ウイルスに感染しているツルナが発見されたのは初めてである。
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成果の活用面・留意点 | リ科作物圃場周辺ではツルナを栽培しない。圃場周辺の除草を行う。
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具体的データ |
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予算区分 | 県単 |
研究期間 | 1999~2000 |
発行年度 | 2000 |
収録データベース | 研究成果情報 |