タイトル | 阿蘇地域における褐毛和種の周年放牧のための牧草地の利用体系 |
要約 | 放牧牛一頭当たり、放牧地:24a、兼用地(ASP):67a、野草地:66aの放牧面積を目安に、草地利用管理体系図に基づいた草地の利用管理を行うことにより、粗飼料無補給型の周年放牧の実施が可能である。 |
キーワード | 混播牧草、野草、肉用牛、放牧 |
担当機関 | 熊本農研セ 草畜研 |
連絡先 | 0967-32-1231 |
区分(部会名) | 九州沖縄農業 |
分類 | 技術、普及 |
背景・ねらい | 阿蘇地域では、寒地型牧草の秋期備蓄草地(ASP)での冬期放牧を取り入れた周年放牧が普及しつつある。そこで、放牧草地、兼用草地(採草、放牧)及び野草地を組合せ、繁殖牛を分娩後3ヶ月から分娩前2週間まで放牧を行う飼養形態において、放牧地での粗飼料無補給型周年放牧が可能な牧草地の利用体系を確立する。
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成果の内容・特徴 | - 周年放牧に必要な繁殖牛1頭当たりの放牧面積は、放牧地(OG・TF優占)が24a程度、兼用地(OG・TF優占)が67a程度および野草地(ススキ優占)が66a程度である(表1)。
- 放牧地は1牧区を3つに分割して輪換放牧を行うことで、春期には45日間程度、夏~秋期では85日間程度の放牧が可能である(表1、図1)。
- 兼用地は1番草及び2番草を採草利用による舎飼期間中の粗飼料とし、ASPでは1牧区を2つに分割して輪換放牧することで、冬~早春の135日間程度の放牧が可能である(表1、図1)。
- 野草地は梅雨時期と8~10月の2回程度の利用により、100日間程度の放牧が可能である(表1、図1)。
- 1頭当たりの兼用地:67aからは約1.9tの牧乾草を収穫することができ、舎飼期間における粗飼料の要求量を十分に満たすことが可能である(表2)。
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成果の活用面・留意点 | - 阿蘇地域など、永年性草地及び野草地を有する本県高標高地域(標高600m以上)における周年放牧技術として活用できる。
- 放牧地は糞尿からの加里の還元量が多いことから、施肥は加里成分を抑える。
- ASPの備蓄時期は、7月下旬頃では夏雑草が繁茂し、9月以降では牧草の生育不足により冬場の草量が十分確保できなくなるので、適期である8月中旬頃に開始する。
- 冬期の積雪時(特に積雪30cm以上)には、牛群の採食行動を十分監視する。
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具体的データ |
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予算区分 | 県単 |
研究期間 | 1999~2003 |
発行年度 | 2004 |
収録データベース | 研究成果情報 |