性フェロモンの違いによるチャノコカクモンハマキ近似種の発見

性フェロモンの違いによるチャノコカクモンハマキ近似種の発見

タイトル性フェロモンの違いによるチャノコカクモンハマキ近似種の発見
要約従来「チャノコカクモンハマキ」として同一種に属すると考えられてきた静岡及び沖縄のハマキガ個体群は、それぞれ異なる性フェロモンを持つことが明らかになり、このことから沖縄個体群はチャノコカクモンハマキとは異なる種に属することが示唆された。またこの種は沖縄のほか奄美大島、徳之島、与那国島に分布することが確認された。
担当機関農業環境技術研究所 環境生物部 昆虫管理科
連絡先0298-38-8311
区分(部会名)農業総合
専門作物虫害
研究対象工芸作物
分類研究
背景・ねらい茶樹の主要害虫であるチャノコカクモンハマキの性フェロモンはすでに明らかにされており、発生予察用として市販されている。しかし、沖縄県ではこの性フェロモン製剤が全く誘引効果を示さない。この原因を明らかにすることは発生予察および性フェロモンを用いた防除法の確立に不可欠である。そこで、静岡県および沖縄県から本種を採集し、それぞれらの処女雌を用いて雄に対する誘引性および性フェロモン組成を再検討する。
成果の内容・特徴
  1. 静岡県金谷町および沖縄県国頭村の茶畑から採集したチャノコカクモンハマキを人工飼育し、得られた処女雌および市販の性フェロモン剤を誘引源として、誘引試験を行った(表1)。静岡産処女雌及び市販の性フェロモン剤は名護市では誘引性がなく、その他の試験地で明瞭な誘引性を示した。これに対し、沖縄産処女雌は名護市においてのみ強い誘引性を示した。
  2. 沖縄産処女雌の性フェロモンを各種クロマトグラフィー、GC-MSなどで分析した結果、有効成分はZ9-テトラ・デセニル・アセタート(Z9-TDA)とZ11-TDAであることが分かった。また沖縄県名護市における野外試験の結果、両者の混合比が20:80(静岡県産では63:31)のとき、最もよい誘引性が観察された(表2)。
  3. 上記混合比による沖縄産用の性フェロモン剤を作製し、市販のチャノコカクモンハマキ用フェロモン製剤と併せて鹿児島県奄美大島、徳之島、および沖縄県石垣島で誘引試験(分布調査)を行った。その結果、沖縄産用の性フェロモン剤にのみ誘引が認められ、これらの地域にはチャノコカクモンハマキ近似種の分布することが明らかになった(表3)。
成果の活用面・留意点分類学的検討から、沖縄産は新種と考えられ、記載が予定されている。本州南部、四国、九州では両種の混棲地域があり、この地域では種の区別に留意する必要がある。近似種については性フェロモン剤の供給及び生態的特性の解明が必要である。
具体的データ
図表
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予算区分別枠(生態秩序)
研究期間1995~1995
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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