コメ中フモニシン類の検出技術の開発

コメ中フモニシン類の検出技術の開発

タイトルコメ中フモニシン類の検出技術の開発
要約 コメ中のフモニシンの高感度な検出法を開発した。分析試料10 gを75%メタノール50 mlで抽出し、固相抽出カートリッジ(Accell Plus QMA)を使用前平衡化無しで使用し、LC-MS/MS法で検出することで、フモニシンB1(FB1)、B2(FB2)、B3(FB3)のLOD0.005ppmでの測定が可能となった。
キーワードコメ、フモニシン、HPLC-FL法、LC-MS/MS法
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 食品安全研究領域 化学ハザードユニット
連絡先029-838-8069 / www-nfri@naro.affrc.go.jp / www-nfri@naro.affrc.go.jp
区分(部会名)食品
分類研究、参考
背景・ねらい フモニシンはフザリウム属菌由来のマイコトキシンで、諸外国で主にトウモロコシ及びトウモロコシ加工食品のフモニシン汚染が問題となっている。コメでも数少ないがフモニシン汚染の報告があり、イネに付着するジベレラ菌(フザリウム属菌の完全世代)のフモニシン産生能の報告があることから、国内で流通しているコメのフモニシン汚染が懸念されるが、コメ中フモニシンの分析法は確立されていない。そこで今回、コメ中フモニシンの実用的な検出・定量法の検討を行った。
成果の内容・特徴
  1. これまでにトウモロコシ中フモニシンB1(FB1)、B2(FB2) 分析法としてAOAC公認法(AOAC995.15)があることから、フモニシンB3(FB3)も検討種に加え、前処理法の効率化をはかった。AOAC995.15法では試料50 gを溶媒100 mlで抽出するが、試料10 gを溶媒50 mlで抽出しても分析値の有意差は無かった(自然汚染トウモロコシ試料、表1)。また自然汚染の無いコメ試料を用いて、AOAC995.15法に基づき添加回収試験を行い、AOAC995.15法記載の固相抽出カートリッジ(Bond Elut SAX (Varian社))と、他の市販固相抽出カートリッジ(Accell Plus QMA(Waters社))を比較したところ、いずれも5 ml溶出で良好な結果(回収率:70%~120%)が得られた(表2)。
  2. AOAC995.15法では、抽出溶媒を75%メタノールとしており、トウモロコシ、コメ試料の多くで良好な結果(回収率:70%~120%)が得られたが、コメの一部では低回収率の試料があった。抽出溶媒組成中の水含量を上げることで回収率が向上した(表3)。
  3. AOAC995.15法記載のHPLC-蛍光(HPLC-FL)法とLC-タンデム質量分析器(LC-MS/MS)法による検出を比較した。ブランク値の3倍を検出限界(LOD) とした場合、HPLC-FL法でのLODは0.05 ppm (FB1)ならびに0.1 ppm (FB2、FB3)、LC-MS/MS法でのLODは0.005 ppm (FB1、FB2、FB3)であった(図1、図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 試料50 g/溶媒100 ml抽出を試料10 g/溶媒50 ml抽出としても、分析値の有意差は無く(自然汚染トウモロコシ試料)、FAPAS(トウモロコシ中FB1, FB2)で良好なスコアが得られた。今後、人工フモニシン汚染コメ試料を内部精度管理用試料として作成する。
  2. Bond Elut SAXとAccell Plus QMAではほとんど性能に差が無く、後者では使用前平衡化無しでも良好な結果が得られるため、後者を使用前平衡化無しで使用することで精製時間が短縮できる。
  3. コメの種類や保存状態によっては抽出法の変更が必要である。
  4. LC-MS/MS法により、HPLC-FL法に比べ、高感度な検出が可能となった。
具体的データ
表1 分析サンプル量/抽出溶媒量の違いによる分析値の違い
表2 固相抽出カートリッジ種類・使用法による回収率の違い
表3 抽出溶媒の違いによる回収率の違い
図1 フモニシン類のHPLC-FL分析と検量線
図2 フモニシン類のLC-MS/MS分析と検量線
予算区分技会委託「食品」
研究期間2006~2006
研究担当者久城真代、田中健治
発表論文久城(2006) 飯島記念食品科学振興財団年報:171-175
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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