機械走行による損傷と草地の表層剥離抵抗

機械走行による損傷と草地の表層剥離抵抗

タイトル機械走行による損傷と草地の表層剥離抵抗
要約作業機の走行による損傷に対して、牧草根は大きな抵抗機能を持つ。安定した草地のせん断抵抗は1.2kgf/cm2程度と大きく、このような草地において機械走行による損傷を防止するためには、車輪の滑り率を20%以下に抑制する必要がある。
担当機関作業技術研究室
山地支場 草地土壌研究室
連絡先0267-32-2356
区分(部会名)草地
専門土壌作業
研究対象牧草類
分類研究
背景・ねらい近年の省力化に伴う作業機の大型化、高馬力化が進み、トラクタの走行時の車輪のスリップによる草地の損傷とそれに起因する荒廃化が目立っている。こうした草地損傷に対する牧草根の保全機能を評価し、草地損傷の防止方策を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 草地のSRⅡ型のせん断リングによるせん断抵抗の推移は、前年秋に造成した後の翌年4月には相対的に低いが、6月には増加して経年化した草地の値に近づき、その後はほぼ一定で推移する。安定した草地のせん断抵抗は 1.2kgf/cm2 以上であるが、裸地のせん断抵抗は草地に比べてきわめて低く、草地表層が示す高いせん断抵抗には牧草が大きな役割を果たしている(表1)。
    図1.せん断リングの形状
  2. 草地の深さ別のせん断抵抗は、表層で最も高く深さ5cm以下では次第に低下するしたがって、最も抵抗力の強い草地表層が車輪のスリップによって損傷を受けると、それ以下の土層は容易に撹乱される(図2)
  3. 車輪の滑り率と草地の損傷程度には密接な関係があり、安定した草地では滑り率が20%を越えると草地表層の剥離が始まり、滑り率が30~40%に達するといちじるしい損傷が起こる(図3)。
  4. 以上のことから、機械走行による草地の損傷を防止するためには車輪の滑り率を20%以下に抑制する必要がある。しかし、造成後間もない草地はせん断抵抗が低く、安定した草地でも、裸地が生じると抵抗機能が低下するので、これらの場合は滑り率20%以下でも損傷の恐れがある。
成果の活用面・留意点
  1. 黒ボク土の草地に適用する。
  2. トラクターの旋回部分はスリップに加え、横方向のずりが生じるので損傷が大きくなることを考慮する。
具体的データ
(表1)
図1.せん断リングの形状
(図2)
(図3)
予算区分重点基礎、場プロ、経常
研究期間1995~1996
発表論文牧草根の作業機走行に対する抵抗機能(日土肥学会講要、第40集、1994)
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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