無代かき移植栽培による低湿重粘土水田からの水質汚濁物質の負荷軽減

無代かき移植栽培による低湿重粘土水田からの水質汚濁物質の負荷軽減

タイトル無代かき移植栽培による低湿重粘土水田からの水質汚濁物質の負荷軽減
要約 低湿重粘土水田では水稲無代かき移植栽培によって,慣行代かき栽培に比べ化学的酸素要求量や懸濁物質,全窒素,全リンなど汚濁物質の流出による環境負荷が軽減する。
担当機関秋田県農業試験場 環境部 土壌試験担当
連絡先0185-45-2011
区分(部会名)農業環境
専門土壌
研究対象稲類
分類普及
背景・ねらい 八郎潟干拓地のような用・排水を循環利用している閉鎖水系水田地帯では,水稲移植時の代かき水や中干し以降の落水に伴なう懸濁物質や窒素,リン等の負荷により水質の悪化が問題となっている。このため,環境負荷軽減技術の早期確立が望まれており,これまで不耕起移植栽培が負荷軽減技術として有用なことを明らかにしてきた。今回は,肥効調節型肥料を用いた無代かき移植栽培が環境負荷軽減技術として有効か否かを検討する。
成果の内容・特徴
  1. 慣行,無代かき移植栽培の施肥区の耕種概要は以下のようである。
    水稲品種;あきたこまち。
    慣行栽培;化成肥料(N-P2O5-K2O=5-10-2.5)で全層施肥N5kg/10a,代かき5月12日,移植日5月14日,追肥は硫安でN2kg/10a(7月24日),収穫日10月2日。
    無代かき栽培;ロータリーで耕起後,パディーハローで2回耕うん整地,肥効調節型肥料(LPS100)で育苗箱全量施肥N5kg/10a,移植日5月13日,収穫日10月3日。
  2. 無代かき移植栽培では慣行移植栽培に比べ縦浸透,畦畔漏水が多く,取水量は2倍程度となる(表1)。
  3. 無代かき移植栽培では無肥区,施肥区とも田面水中の懸濁物質(SS)及び全窒素,全リンは慣行に比べ低く推移する(表2)。
  4. 慣行の移植時の落水に伴う流出負荷は無肥区,施肥区とも大きいが,無代かき移植栽培ではこの時期の流出負荷は少ない(表3)。
  5. 無代かき移植栽培では無肥区,施肥区とも化学的酸素要求量(COD),SS,全窒素,全リンの環境負荷が軽減され,特に,SSではその効果が著しく高い(図1)。
  6. 無肥料区と肥料区でほぼ同じ結果が得られ,負荷軽減の効果には肥効調節型肥料より無代かき栽培が大きく影響している。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は閉鎖水系・重粘土水田地帯において,懸濁物質や窒素,リン等の汚濁原因物質の環境負荷軽減技術として有効である。
  2. 無代かき栽培では慣行代かき栽培より用水量が多くなることに留意する。
具体的データ
表1
表2
表3
図1
予算区分指定試験
研究期間1997~1999
発表論文無代かき水田の汚濁負荷量収支,日本土壌肥料学会講演要旨集, 44, 198 (1998)
発行年度1997
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat