ネオスポラ実験感染マウスの経時的病理変化と血清中サイトカイン産生

ネオスポラ実験感染マウスの経時的病理変化と血清中サイトカイン産生

タイトルネオスポラ実験感染マウスの経時的病理変化と血清中サイトカイン産生
タイトル(英)18.Immunolpathological Findings of BALB/c Mice Experimentally Infected with Neospora caninum
要約  ネオスポラ感染に対してNudeは感受性,Wildは抵抗性を示すことがわかった。またNudeの血管内皮細胞内でタキゾイトが増殖することが明らかとなり,ネオスポラが血液を介する移動経路をとることが示唆された。ネオスポラ感染に対する生体防御機構には,IFNγなどのTh1細胞性免疫の関与が示唆された。
要約(英) Neospora is a cyst-forming coccidian parasite that causes abortions and neuromuscular disorders in a wide variety of mammals. Japanese bovine isolate JPA1 was inoculated intraperitoneally into BALB/c nu/ nu (athymic nude) and BALB/c (congenic wild type) female mice to examine the distribution of parasites and resistance mechanisms to Neospora infection. All the athymic nude mice died within 28 days after intraperitoneal injection of 2 x 105 JPA1 tachyzoites, whereas all the congenic wild type mice survived without exhibiting any clinical signs. Tachyzoites were identified in the uterus and pancreas and later spread to many other organs. Most tachyzoites identified in the necrotic foci were localized in the epithelium of the venules and capillaries. Nude mice developed a high level of serum interferon-gamma and interleukin-6 as infection proceeded. The inflammatory response to Neospora infection might be mediated by Th1-type dependent cellular immunity. (Lab. of Comparative Pathology, Hokkaido Research Station TEL +81-11-851-5226)
References:
Shibahara, T., et al.: Pathological and immunological findings of athymic nude and congenic wild type BALB/c mice experimentally infected with Neospora caninum. Vet. Pathol., 36 : 321-327 (1999)
担当機関家畜衛生試験場 北海道支場 臨床病理研究室
連絡先011(851)5226
区分(部会名)動物衛生
区分(部会名)家畜衛生
専門診断予防
研究対象乳用牛・肉用牛
分類研究
背景・ねらい  ネオスポラはシストを形成するコクシジウム原虫であり,イヌとウシに運動麻痺または異常産を引き起こす。近年,in vitroでIFNγがネオスポラの増殖を抑制することが報告されている。またin vitroでの病態解析が報告されているが,in vivoでの生体防御機構に関する報告は乏しい。そこで本研究では、ネオスポラ感染時の生体防御機構の解析を目的とし,BALB/c nu/nu(Nude)とBALB/c(Wild)マウスを用いてネオスポラ接種後の臨床症状ならびに病理学的変化および血清中サイトカインの産生濃度を経時的に比較した。
成果の内容・特徴
  1. 感染にはネオスポラJPA1株を用い,2×105個のタキゾイトを体重約18-22gのNudeとWildに腹腔内接種した。マウスは接種後0,1,4,7,14,21,28,90および180日に心採血後,剖検に供した(n=3)。常法によりHE染色,ならびに抗N.canium血清を用いたABC染色を実施した。また血清中のIFNγ,IL-6およびIL-4濃度をELISA法により測定した。
  2. Nudeは,接種後18-20日で神経症状を呈し,その後2-5日以内にすべて死亡した。Wildは接種後180日まで無症状であった。
  3. 病理組織学的にNudeで接種後4日目より子宮,膵臓にタキゾイトがみられ,その後全身臓器でタキゾイトの増殖が認められた。また血管内皮細胞内にタキゾイトが認められた(図1)。Wildでは接種後4日目の子宮でのみタキゾイトが認められた。
  4. IFNγはNudeで接種後1,4および7日目に検出され,その後病態の進行に伴って接種後14,21日目に増加した(図2)。WildではIFNγは接種後1,7日目に検出された。IL-6はNudeでのみ接種後14,21日目に検出され,Wildではすべて検出限界以下であった。IL-4はNude,Wildともすべて検出限界以下であった。
成果の活用面・留意点
      ネオスポラ感染に対してマウスの系統より感受性に差があることを示した。またネオスポラ感染に対する生体防御機構には,IFNγなどのTh1細胞性免疫か関与することを明らかにした。さらにネオスポラの生体内移動経路および経時的分布を明らかにした。この成績はネオスポラ感染症の診断および予防策確立の際に有益な資料となる。
具体的データ
図1
図2
予算区分畜産対応研究(サイトカイン)
研究期間1999~1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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