牛ネオスポラ症の血清疫学調査

牛ネオスポラ症の血清疫学調査

タイトル牛ネオスポラ症の血清疫学調査
タイトル(英)24.Seroepidemiological Survey of Bovine Neospora caninum Infection in Japan
要約  牛ネオスポラ症について全国的に血清疫学調査を実施し,乳用牛の異常産症例では高い抗体保有率が確認された。無作為抽出した外見上健康な乳用牛の抗体保有率は5.7%であった。乳用牛がネオスポラ抗体陽性と判定後の最初の妊娠において異常産あるいは不受胎を起こす危険度は抗体陰性牛の6.84倍であった。
要約(英)A nation wide survey was carried out to clarify the serological prevalence of Neospora caninum infection among dairy cattle in Japan. Seroprevalence in dairy cattle with a history of abnormal parturition was significantly higher than that in beef cattle. The average seroprevalence of apparently healthy dairy cattle randomly sampled from 24 prefectures was 5.7%. The risk of abnormal parturition or failure to conceive for seropositive dairy cattle was 6.84 times higher than seronegative animals. (Lab. of Epidemiology, Department of Systematic Diagnosis TEL +81-298-38-7769)
担当機関家畜衛生試験場 総合診断研究部 疫学研究室
連絡先0298(38)7769
区分(部会名)家畜衛生
区分(部会名)動物衛生
専門疫学
研究対象
分類行政
背景・ねらい  ネオスポラ症は牛に異常産を引き起こす疾病で,我が国で1991年に初めてその存在が確認されて以来,全国的な発生報告があり,生産者に大きな経済的損失を与える新たな疾病として注目されている。しかし,ネオスポラ原虫の生態,牛への浸潤状況や原虫感染と異常産発生との関係など,本症の対策を策定する上で必要な疫学情報は明らかでない。そこで,わが国における当該原虫の浸潤実態を明らかにし感染と異常産との関係を調べるため,牛における全国的な血清疫学調査とアンケートによる追跡調査を実施した。
成果の内容・特徴
  1. 全国12県から分与された牛異常産234症例の血清等475検体について,ネオスポラ抗体保有状況を間接蛍光抗体法(IFA)により調べた。その結果,37症例(15.8%),52検体(10.9%)が抗体陽性であったが,そのうち51検体が乳用牛から採取されたものであり,ネオスポラ原虫は主に乳用牛に浸潤していることが明らかとなった(表1)。
  2. 18道県から二重集落抽出法により無作為抽出した外見上健康な乳用牛の血清2,420検体についてネオスポラ抗体保有状況をIFAにより調べた。その結果,139検体(5.7%)が抗体陽性であった。また,調査した全ての道県において抗体陽性牛が認められ全国的に浸潤していることが明らかとなった。ネオスポラ症の報告がある県とない県の抗体保有率に有意差は認められなかった。(表2)。
  3. ネオスポラ抗体価と異常産発生との関係を解析するためネオスポラ抗体陽性牛及び陰性牛の分娩状況をアンケートにより追跡調査した。その結果,乳用牛が抗体陽性と判定された後の最初の妊娠において異常産あるいは不受胎を起こす危険度(オッズ比)は抗体陰性牛の6.84倍となり,ネオスポラ抗体陽性と異常産発生の関連が強く示唆された(表3)。

成果の活用面・留意点

      疾病の浸潤状況を把握するための全国的な血清疫学調査法のモデルを示したことから,今後,他の疾病の調査法として応用が可能である。得られた疫学的指標による各種疾病の経済損失評価を行い畜産における疾病の重要度を決定することが期待される。
予算区分経常
研究期間1998~1999
発表論文
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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