豚インターロイキン18に対するモノクローナル抗体の作出とその利用

豚インターロイキン18に対するモノクローナル抗体の作出とその利用

タイトル豚インターロイキン18に対するモノクローナル抗体の作出とその利用
タイトル(英)Production and utilization of anti-porcine IL-18 monoclonal antibody
要約豚インターロイキン18(IL-18)と特異的に結合する抗豚IL-18モノクローナル抗体を作製した。また,ウェスタンブロット法,サンドウィッチELISA法および免疫組織化学染色法による,豚IL-18の検出が可能であること,およびイムノアフィニティーカラムによる豚IL-18の精製が可能であることを明らかにした。
要約(英)1. Production and utilization of anti-porcine IL-18 monoclonal antibody
 In this paper, we describe the production of anti-porcine interleukin-18 (IL-18) monoclonal antibodies (mAbs). Fifteen anti-porcine IL-18 mAbs were established and characterized. They were all useful for the immunoblot analysis of porcine IL-18. A sandwich enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) was developed using two different mAbs (7-G-8 and 5-C-5). Porcine IL-18 was quantified with a detection limit of 20 pg/ml using this ELISA. Four (2-C-4, 5-F-6, 9-H-6, and 12-C-12) of fifteen mAbs were shown to be useful for immunohistochemical staining of porcine IL-18 and detected porcine IL-18 in Kupffer cells and macrophages in hepatic focal necrosis of piglets with experimental endotoxemia induced by E.coli lipopolysaccharide. Furthermore, porcine IL-18 was obtained easily from the supernatant of insect cells containing porcine IL-18 by immunoaffinity chromatography using an anti-porcine IL-18 mAb (2-2-B). The anti-porcine IL-18 mAbs developed in this study, which are useful for the immunoblotting, sandwich-ELISA, immunohistochemical staining, and purification for porcine IL-18, will become very powerful tools for investigating the role of porcine IL-18 in various immune responses and diseases of pig. (Immune System Section, Department of Immunology TEL +81-298-38-7857)
Reference:
1.Muneta et al. (2000) J. Immunol. Methods 236:99-104.
2.Muneta et al. (2000) J. Interferon Cytokine Res. 20:331-336.
キーワード 豚,インターロイキン18,モノクローナル抗体,サンドウィッチELISA
担当機関(独)農業技術研究機構 動物衛生研究所 免疫研究部 免疫機構研究室
連絡先0298-38-7857
区分(部会名)動物衛生
分類技術、普及
背景・ねらいインターロイキン18(IL-18)は,主に活性化マクロファージや上皮細胞から産生され,T細胞やNK細胞からのインターフェロンγ(IFN-γ)の産生を誘導するサイトカインである。そのIFN-γ誘導という生理活性を利用して
,IFN-γ誘導剤,抗ウィルス剤,抗菌剤,抗腫瘍剤,免疫調節剤,ワクチンアジュバント等の多様な臨床応用が期待されている。
我々は,家畜での本サイトカインの利用を目的として,豚のIL-18遺伝子をクローニングした。その組換えタンパク質を昆虫細胞発現系にて発現し,抗豚IL-18モノクローナル抗体を作製して
,豚IL-18の精製および検出系を確立した。
成果の内容・特徴 
1.
豚IL-18の遺伝子をクローニングし,バキュロウィルス・昆虫細胞発現系によりその組換えタンパク質を作製した。これを免疫したマウスの脾細胞とマウスのミエローマ細胞との細胞融合法により
,豚IL-18に対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを樹立した。
2.
豚IL-18を特異的に認識する種々のサブクラスの計15クローンのモノクローナル抗体を得た(表1)。
3.
このうち,クローン7-G-8を捕捉用抗体,ビオチン化したクローン5-C-5を検出用抗体に用いたサンドウィッチELISAにより,豚IL-18を検出限界約20pg/ml高感度で検出できる系を開発した(図1)。
4.
図2に示すとおり,得られたモノクローナル抗体はウェスタンブロットによる豚IL-18の検出にも有効であった。また
,モノクローナル抗体を用いたイムノアフィニティーカラム1ステップだけでバキュロウィルス発現系で作製した組換え豚IL-18を精製することが可能であった。
5.
さらに,これらのモノクローナル抗体の1部は,免疫組織化学染色による豚IL-18の組織切片上での検出にも有用であった(図3AおよびB)。
成果の活用面・留意点 
1.
豚のIL-18 に対するモノクローナル抗体の作製は世界で初めてであり,豚の種々の感染症における免疫応答の解析や豚の臓器をヒトに移植する異種移植の拒絶免疫反応の解析等に幅広く利用されるものと考えられる。
2.
特に,開発したサンドウィッチELISAは高感度で豚IL-18を検出可能であり,豚IL-18 ELISAキットとして市販される予定。
3.
これらのモノクローナル抗体は特許を取得し,全世界における研究試薬としての販売に関するライセンス契約を海外2社のメーカーと締結した。
具体的データ
図表
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予算区分交付金プロ(サイトカイン)
研究期間2000~2001
研究担当者下地善弘、宗田吉広、新井啓五、森 康行
発表論文1)Muneta et al. (2000) J. Immunol. Methods 236:99-104.
2)Muneta et al. (2000) J. Interferon Cytokine Res. 20:331-336.
4)抗体の販売権に関するライセンス契約2件(イギリスSerotec社,オーストリアMedSystem Diagnostic社)
特許出願(公開)3)宗田ら 特許第3230220号 「ブタ由来インターロイキン18に対するモノクローナル抗体」
発行年度2001
収録データベース研究成果情報

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