口蹄疫ウイルスに対する市販消毒薬の効果判定

口蹄疫ウイルスに対する市販消毒薬の効果判定

タイトル口蹄疫ウイルスに対する市販消毒薬の効果判定
要約現在我が国で販売されている消毒薬について、我が国で分離された口蹄疫ウイルス(FMDV)に対する消毒効果を調べた。FMDVに対する消毒効果はヨウ素系、塩素系およびアルデヒド系消毒薬において認められ、フェノール系および逆性石鹸では認められなかった。FMDVはpHの影響を受けやすく、消毒薬のpHによりその効果が異なった。
キーワード市販消毒薬、口蹄疫ウイルス、消毒薬のpH
担当機関家畜衛生試験場 海外病研究部 海外病研究管理官
連絡先042-321-1441
区分(部会名)動物衛生
分類参考、行政
背景・ねらい口蹄疫は伝染力が強く、感染した牛、豚等は、口内や蹄の間に形成される水疱の激痛のため、採食が困難となり、発育障害や泌乳障害が起こる。また本病の侵入防止のため、家畜や畜産物の輸出は出来なくなる。このようなことから口蹄疫は最も恐ろしい家畜の病気として世界中で恐れられている。本病は2000年3月、92年ぶりに我が国で発生したが、早期に撲滅された。しかし、2001年2月には英国で20年ぶりに発生し、大きな被害を与え、また2002年5月には隣の韓国で発生し、韓国畜産に大打撃を与えた。口蹄疫が発生した場合の消毒は、病気を拡げないための防止策として大変重要であるが、我が国で市販されている消毒薬のFMDVに対する効果は今まで調べられていなかった。我が国での口蹄疫の発生を機に、FMDVの使用が可能となり消毒薬の効果を調べることが出来たので報告する。
成果の内容・特徴
  1. 我が国で市販されている消毒薬のうち、FMDVに対して効果を示したものは、ヨウ素系、塩素系およびアルデヒド系の消毒薬で、複合消毒薬は混合したアルカリ調整剤の影響で効果を示したものと考えられた(図1)。
  2. FMDVに対して効果を示したヨウ素系消毒薬5種類のpHを示した。図1で高い効果を示した3種類の消毒薬のpHは酸性を示していた(図2)。
  3. FMDVに対して効果を示した塩素系消毒薬3種類のpHを示した。図1で高い効果を示した1種類の消毒薬は高濃度で酸性を示していた(図3)。
  4. FMDVのpHに対する感受性を示したが、FMDVは酸性に対して特に弱く、pH6.5以下で完全に失活していた。アルカリ側はpH11以上で失活した(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 我が国で市販されている消毒薬のFMDVに対する効果が明らかとなり、口蹄疫発生時に使用できる消毒薬の種類が明らかとなった。農水省生産局畜産部衛生課(現:農水省消費・安全局衛生管理課)から各県の衛生担当者に本課題の結果が送付され、緊急時の予防対策として利用されている。
  2. FMDVに高い効果を示す消毒薬のpHを測定すると酸性を示したものが多かった。FMDVはpH6.5以下で完全に失活することから、FMDVの消毒に消毒薬のpHが大きく関係する事を示すものである。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
予算区分民間受託
研究期間2001~2002
研究担当者白井淳資
発表論文日本獣医師会雑誌.55: 575-579 (2002)
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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