ラクトフェリンによる新生子牛の造血機能改善効果

ラクトフェリンによる新生子牛の造血機能改善効果

タイトルラクトフェリンによる新生子牛の造血機能改善効果
要約新生子牛に生後1日齢から5日間、鉄(40mg/日)とともにラクトフェリン(5g/日) を投与すると、新生子牛の血中ヘマトクリット値とヘモグロビン濃度の改善効果が高いとともに、投与直後の血漿中鉄濃度の急上昇が抑制された。
担当機関畜産試験場 栄養部 飼料資源開発研究室
連絡先0298-38-8661
区分(部会名)畜産
専門動物栄養
研究対象乳用牛・肉用牛
分類研究
背景・ねらい子牛の貧血はミネラルによる機能障害の代表的なものの一つであり、貧血状態で生まれた新生子牛はその後の生存率や増体が低下するとともに、造血機能の低下は子牛の免疫能に悪影響を及ぼす。新生子牛の造血機能の改善方法としては鉄の給与が推奨されているが、過剰に投与された鉄は消化管における有害微生物の増殖や過酸化促進作用による組織の損傷などの悪影響を及ぼす。そのため、新生子牛には造血機能改善とともに鉄の有害作用防止にも効果的な方法を開発することが必要である。初乳中に含有されている鉄結合蛋白質のラクトフェリンには、鉄吸収促進作用のあることが知られているが、子牛に対する作用はまだ確かめられていない。そこで、子牛の血中ヘマトクリット(Ht)値およびヘモグロビン(Hb)濃度を指標にして、ラクトフェリンを利用した子牛の造血機能改善効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1.  初産牛から生まれた子牛18頭および経産牛から生まれた子牛18頭(雌雄同数)を用いて、生後1日齢から初乳だけの給与(無添加区)と、初乳に加えて硫酸第一鉄として鉄を 40mg/日 投与(鉄投与区)と鉄 40mg とラクトフェリン 5g/日 投与(鉄+ラクトフェリン投与区)を設け(各区12頭)、投与区では生後1日齢から5日間投与した(図1)。
  2.  出生直後の子牛の初乳だけを給与すると、子牛の血中Ht およびHb は生後1日齢から10日齢にかけて低下した。
  3.  新生子牛に生後1日齢から鉄とラクトフェリンを5日間投与すると、生後6日齢の血中Ht およびHbの改善効果は鉄投与区より高く、また投与直後の血漿中鉄濃度の急激な上昇を抑制する効果が認められた。
  4.  ラクトフェリンあるいは硫酸第一鉄の投与により、新生子牛の健康状態に悪影響は認められなかった。
成果の活用面・留意点
    ラクトフェリンには鉄吸収促進作用や抗菌作用などさまざまな機能が知られているが、ラクトフェリンは家畜の飼料用としてはまだ市販されていないため、子牛にはラクトフェリン含量の高い分娩直後の初乳の有効利用が効果的と考えられる。
具体的データ
(図1)
予算区分科振調(重点基礎)
研究期間1994~1994
発表論文1)Effect of supplemental lactoferrin with ferrous iron on iron status of newborn calves.J.Dairy Sci.,79,p,459~464(1996)
特許出願(公開)2)特許出願中「新生子牛の造血機能の改善および貧血の予防方法」
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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