トランスポゾン(Ac/Ds)のゲノム内への直接転移

トランスポゾン(Ac/Ds)のゲノム内への直接転移

タイトルトランスポゾン(Ac/Ds)のゲノム内への直接転移
要約 トラスポゾンのゲノム内転移機能を応用し、外来遺伝子をゲノム内に導入するベクターとしての利用を検討した。トランスポゾン(Ac/Ds)を導入した形質転換カルスの約30%でイネゲノムに直接転移していることを確認し、ベクターとしての利用の可能性を示した。
担当機関農業生物資源研究所 分子育種部 形質転換研究室
連絡先0298-38-7006
区分(部会名)生物資源
専門バイテク
研究対象水稲
分類研究
背景・ねらい トランスポゾンは切り出し・組込みを経てゲノム内を移動する(転移)遺伝子である。この転移に伴う遺伝子破壊作用により遺伝子単離に利用する手法(トランスポゾンタギング)が期待を集めている。トランスポゾンタギングに利用するには転移頻度を高める必要があり、転移過程を検出できる実験系の開発も重要である。本課題では、イネゲノムをトランポゾン(Ds)の標的とする転移頻度検出の定量系として確立するとともに、直接転移によって植物ゲノム内へ遺伝予を運ぶベクターとしての利用の可能性を調べた。
成果の内容・特徴
  1. ジェミニウイルス(オギ条斑ウイルス、MiSV)をベクターとして用いたイネへの遺伝子導入系で、プロトプラスト内でのトラスポゾン転移過程を検出した。
  2. ハイグロマイシン耐性遺伝子をもつDsが挿入されたジェミニベクター、転移酵素遺伝子の発現プラスミド、及びジェミニベクターの複製因子を含わせ、エレクトロポレーション法によりイネプロトプラストに導入(図1)して、ハイグロマイシン耐性カルスを得た。
  3. 得られた16系統の薬剤耐性カルス全てからハイグロマイシン耐性遺伝子が検出されたが、5系統のカルスではベクター部分が検出されなかった。
  4. ベクター部分が検出されなかったカルスではDsが完全な形で存在し、さらに転移に伴って形成される標的配列の重複も見られた(図2)。
  5. 以上の結果から、イネプロトプラスト内に導入されたプラスミドからDsが転移酵素の働きでイネゲノム内に直接転移することを示し(図3)、トランスポゾンの利用の可能性を示唆した。
成果の活用面・留意点
  1. トランスポゾンの利用による、目的遺伝子だけのゲノム内導入。
  2. トランスポゾンタギングに供する変異個体群の作出。
  3. 導入遺伝子の再転移による位置効果、発現レベルの変化。
具体的データ
(図1)
(図2)
(図3)
予算区分経常・イネゲノムelement from a viral vector to the rice genome.” Plant J.5863-871.
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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