放射線と培養を用いたトルコギキョウの突然変異品種の育成

放射線と培養を用いたトルコギキョウの突然変異品種の育成

タイトル放射線と培養を用いたトルコギキョウの突然変異品種の育成
要約トルコギキョウの植物体にガンマ線緩照射を行いその葉片と花弁培養由来の再分化個体を自家受精により固定化を図り、切り花用として小輪スプレイ咲きの3突然変異品種を育成した。
担当機関農業生物資源研究所 放射線育種場 照射法研究室
連絡先02955-2-1138
区分(部会名)生物資源
専門バイテク
研究対象花き類
分類普及
背景・ねらいトルコギキョウはわが国で園芸化が進められ、近年急速に人気が高まり、生産・
消費が増大しているが、品種改良の歴史も浅く切り花としての洗練が必要であっ
た。育種のねらいは、トルコギキョウの人気を高めている多彩な花色、覆輪、花
持ちの良さはそのまま品種に活かし、小輪で花数の多いスプレイ咲きへの変化、
さらに切り花にふさわしい草姿への改良であった。新たな需要に迅速に対処する
ために、緩照射と培養法による固定品種の育種法の開発をめざした。
成果の内容・特徴
  1. トルコギキョウの幼苗をガンマーフィールドやガンマーグリーンハウスの中で栽培し、線量率 0.5~1.5 Gy/dayで90日間、開花時期まで照射を行った。照射株の花弁や葉片を培養してカルスから再分化植物1500個体を得た。小輪花の誘発率は、線量率0.75 Gy/day以上で高く、また部位別では葉より花弁の方が高かった(表1)。
  2. 再分化個体を施設内で栽培し、各個体から自家受精の種子を採った。次に個体毎の自殖種子から15~20個体を養成して希望型の分離個体を選抜し、自殖種子を採取した。選抜系統の自殖種子から200個体以上を栽培し、変異形質の安定度および固定度を検定し、優良系統を選抜した。
  3. 切り花用としての系統の優良性と固定度を確認して、小輪・スプレイ咲きの3系統を種苗登録に申請した(表2)。
(図1)
(図2)
(図3)
成果の活用面・留意点育成された3系統はいずれも小輪・多花性でスプレイ咲きの覆輪花で、切り花に
適した特長を持ち、需要拡大が期待される。本品種は現在の生産地において既存
品種の耕種基準に準じて栽培ができる。この緩照射と培養を複合した育種法はこ
れまで栄養繁殖性作物では成果を挙げてきたが、種子繁殖性作物では初めての例
である。本方法は培養再分化系が確立された作物では繁殖様式に拘わらず適用で
きる。
具体的データ
表1
表2
図1
図2
図3
予算区分経常・交流共同研究
研究期間1996~2001
発表論文上条正明・永冨成紀・岡崎利一(1996)放射線によるトルコギキョウ培養系由来の突然変異品種の育成.育雑, 46(別1)63.
発行年度1996
収録データベース研究成果情報

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