形質転換植物を用いたジーンサイレンシングの解析

形質転換植物を用いたジーンサイレンシングの解析

タイトル形質転換植物を用いたジーンサイレンシングの解析
要約 ウイルスの外被タンパク質(CP)遺伝子を導入したタバコで遺伝子発現量の抑制された(ジーンサイレンシング)系統を選び、mRNAの分解が、その3'末端領域あるいは全領域を標的とする2種のタイプのあることを見出した。DNAのメチル化は、標的領域の塩基配列で顕著であり、mRNA分解とメチル化の関連性を明らかにした。
担当機関農業生物資源研究所 分子遺伝部 遺伝子応答研究室
連絡先0298-38-7005
区分(部会名)生物資源
専門バイテク
研究対象工芸作物類
分類研究
背景・ねらい 外来遺伝子を導入することにより有用な作物を創出することが可能になったが、これらの知見が蓄積するに従って、導入遺伝子が染色体に存在するにも関わらず、ねらい通り発現しない例がみられるようになった。これはジーンサイレンシングと呼称され、ゲノムがもつ遺伝子の発現抑制機能の一つである。このような現象は、遺伝子導入による有用作物の作出にとり阻害要因となる。本研究においては、形質転換植物を用いて、ジーンサイレンシングの実態を把握し、それらの特徴を明らかにするとともに、遺伝子の安定的発現に役立つことをねらいとした。
成果の内容・特徴
  1. サツマイモ斑紋モザイクウイルス(SPFMV)の外被タンパク質(CP)遺伝子を導入したタバコにCP配列をもつ組換えウイルスを接種することにより、ジーンサイレンシング系統を選抜した。
  2. ジーンサイレンシング系統の多くは、一般にCP mRNA及びCPの蓄積量が低いかあるいは検出限界以下であった(図1)。
  3. 上記ジーンサイレンシング系統は、CP mRNA分解が、CPの全領域を標識とするグループ(I)と、3'末端側約400塩基数を標的とするグループ(II)に分けられた。
  4. ジーンサイレンシングのほとんどの系統(6系統)が2コピー以上CP遺伝子が導入され、1コピーは1系統のみであった。
  5. 導入遺伝子DNAのメチル化の程度を調べた結果、グループIではCP遺伝子の全体で、グループIIでは3'末端側でメチル化の程度の高いことが明らかとなった(図2)。
成果の活用面・留意点 本研究で得られた知見とシステムは、ゲノム機能としてのジーンサイレンシング機構の解明及び標的領域の塩基配列の改変等による安定的発現技術の開発に結びつくことが期待される。
具体的データ
図1
図2
予算区分バイテク[バイテク育種]
研究期間1998~1998
発表論文 1)Nishiguchi, M., Sonoda, S., Kato, H. and Mori, M. (1998) Gene silencing intransgenictobacco plant expressing the CP gene of sweet potato featherymottle potyvirus. 7th International Congress of Plant Pathology. 1.12.132)園田昌司、村上泰弘、森 昌樹、西口正通 (1998) サツマイモ斑紋モザイクウイルス(SPFMV)の外被タンパク質(CP)遺伝子導入タバコにおけるジーンサイレンシングの解析。第21回日本分子生物学会・講演要旨集 pp4693)西口正通 (1998) ジーンサイレンシングとウイルス抵抗性.農林水産分野におけるバイオポテンシャルの究極的利用に関する基礎調査報告書 pp19-23
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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