薬物代謝酵素P450遺伝子を用いた除草剤抵抗性作物の作出

薬物代謝酵素P450遺伝子を用いた除草剤抵抗性作物の作出

タイトル薬物代謝酵素P450遺伝子を用いた除草剤抵抗性作物の作出
要約 薬物代謝型チトクロームP450モノオキシゲナーゼ遺伝子を作物に導入することにより、除草剤を代謝・無毒化し抵抗性を示す作物を作出した。形質転換作物は、数種類の作用機作の異なる除草剤に対して抵抗性を示した。
担当機関農業生物資源研究所 生物工学部 細胞工学研究室
連絡先0298-38-8374
区分(部会名)生物資源
専門バイテク
研究対象稲類・いも類
分類研究
背景・ねらい 従来、除草剤抵抗性は突然変異等により当該除草剤がターゲットとする酵素が阻害を受けなくなることにより抵抗性が示されるものが大部分であった。しかし、農薬による環境汚染等が問題視されるようになり、使用した農薬を代謝・無毒化するタイプの除草剤抵抗性作物の作出が強く望まれている。本研究では、哺乳動物の肝臓に存在する薬物代謝活性の非常に高いチトクロームP450モノオキシゲナーゼ(CYP)遺伝子を植物に導入することにより、除草剤を代謝し抵抗性を示す作物を作出する。
成果の内容・特徴
  1. ラットCYP1A1 遺伝子を導入したバレイショは、光合成阻害型除草剤クロロトルロン、デューロン、アトラジンおよびアミノ酸合成阻害型除草剤ピリミノバックメチルに対して抵抗性を示し、イネは、デューロンおよびピリミノバックメチルに対し抵抗性を示した(表1、図1)。
  2. ヒトCYP2B6 遺伝子を導入したバレイショは、タンパク合成阻害型除草剤アセトクロールおよび細胞分裂阻害型除草剤メトラクロールに対して抵抗性を示し、イネは、タンパク合成阻害型除草剤アラクロール、および細胞分裂阻害型除草剤メトラクロール、トリフルラリンに対して抵抗性を示した(表1、図2)。
  3. バレイショでは、クロロトルロンは形質転換体、非形質転換体を問わず、未だ除草剤活性を持つ脱メチル体(DM)に代謝されるが、P4501A1 を発現した形質転換体ではより除草剤活性の低いOH,DMOH,COOHに急速に代謝されることが明らかとなった(図3)。
成果の活用面・留意点 本課題で作出された除草剤抵抗性形質転換体は、今後環境に対する種々の安全性試験の後、圃場での抵抗性等を解析する必要がある。
具体的データ
表1
図1
図2
図3
予算区分生研基礎研究
研究期間1998~2000
発表論文1)Inui, H., Shiota, N., Ishige, T., Ohkawa, Y. and Ohkawa H.(1998)Herbicide metabolism and resisntance of transgenic potato plants expressing rat cytochrome P4501A1. Breeding Science 48:135-143
2) 廣瀬咲子、塩田憲明、大川秀郎、大川安信 (1998)アグロバクテリウム法によるイネへのP4502B6遺伝子の導入とその評価 育種学雑誌48 (別1):176
発行年度1998
収録データベース研究成果情報

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