ホールゲノムショットガン法によるカイコゲノム塩基配列決定

ホールゲノムショットガン法によるカイコゲノム塩基配列決定

タイトルホールゲノムショットガン法によるカイコゲノム塩基配列決定
要約 カイコゲノムについてホールゲノムショットガンシーケンシングを行い、213,289のコンティグを得た。総コンティグ長は387Mbとなり、カイコ全ゲノム(490Mb)の80%を解読した。
キーワードカイコ、ホールゲノムショットガン、ゲノム構造、ゲノム塩基配列
担当機関東京大学大学院 新領域創成科学研究科 情報生命科学専攻
(独)農業生物資源研究所 ゲノム研究グループ DNA
(独)農業生物資源研究所 ゲノム研究グループ 昆虫ゲノム研究チーム
連絡先029-838-6120
区分(部会名)生物資源
分類知的貢献
背景・ねらいホールゲノムショットガン法によるカイコ全ゲノム塩基配列決定は、カイコ遺伝情報を短期間に獲得できる効率的方法である。昆虫新産業創出ならびに昆虫機能研究の加速を目的として、カイコゲノム(490 Mb)の約3倍にあたるホールゲノムショットガンシーケンシングを行い、塩基配列情報の獲得を目指した。本研究では、これらの膨大なシーケンス断片をつなぎ合わせる、カイコに特化したアセンブルソフトウェアの開発研究も行った。
成果の内容・特徴
  1. アセンブルプログラム「RAMEN」をカイコゲノム用にチューニングし、ホールゲノムショットガンシーケンス(WGS)データ287万断片配列をアセンブルした。213,289 コンティグが得られ、総コンティグ長は387 Mbとなり、カイコ全ゲノムの80%の塩基配列を決定した。別途塩基配列解析を行った5個のBACクローンとの配列比較からシーケンスエラーは0.07%で、ミスアセンブル率は2%と判断され、今回用いたアセンブルプログラムおよび配列データの信頼度の高さが証明された(表1)。
  2. カイコの特徴的遺伝子で発現領域が完全に決定されている遺伝子を50個選んでBLAST検索を行い、これらの領域がどの程度WGSデータでカバーされているかを調べた。32個の遺伝子が90%以上のカバー率を示し、50%以下のカバー率の遺伝子は2個のみであった。
  3. カイコESTデータベース中の11,202個の独立ESTをホールゲノムショットガンデータに対してBLAST検索し、それらの対応率を調べることによって得られたデータの評価を行った。検出が困難なEST(対応率10%以下)は39個しかなく、11,202個の ESTの90%は対応率が70%以上だった。これらから本データにより90%以上のカイコ遺伝子を同定できると予想された(図1)。
  4. WGSアセンブルデータをBLAST検索できるプログラム(KAIKOGAAS)を完成し、WGSデータを遺伝子予測ならびにその後の機能解析研究に利用できるシステムを整備した。

表1

図1
成果の活用面・留意点
  1. 今後、中国と共同して両国のWGSのデータのアセンブルとアノーテーションを行う。
  2. 遺伝地図、BAC物理地図およびESTマッピング情報を利用して、WGSのシーケンスコンティグを各染色体上にマップし、表現型と対応する遺伝子単離と機能解析研究を加速する。
  3. アノテーション結果を取り入れてKAIKOGAASをさらに改良し、カイコゲノム中の遺伝子予測精度を上げる。
具体的データ
図表
図表
予算区分昆虫テクノ
研究期間2003~2004
研究担当者安河内佑二、三田和英、山本公子、門野敬子
発表論文Mita K, et al.(2004)The Genome Sequence of Silkworm,Bombyx mori. DNA Research, 11, 27-35.
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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