ネットロウシルクによるデニム用織物

ネットロウシルクによるデニム用織物

タイトルネットロウシルクによるデニム用織物
要約 緯糸に嵩高性のあるネットロウシルクを用いて、デニム用織物を作出した。斜文織りを採用することにより、デニム地裏面(皮膚との接触面)にシルクを配置させた結果、保温性等シルクの機能性をより効果的に発揮させることができた。
キーワードネットロウシルク、デニム、織物、斜文織り、太繊度、嵩高
担当機関(独)農業生物資源研究所 昆虫生産工学研究グループ 生活資源開発研究チーム
連絡先0266-22-3664
区分(部会名)生物資源
分類技術開発
背景・ねらい日本が保有する豊富なカイコ遺伝資源を活用して育成した蚕品種繭を用いて、新たな発想のもとに日本独自の差別化素材や、高品質素材等の特徴ある素材づくりを行うため、これまであまりシルクが利用されていないカジュアル部門(特にジーンズ)へ利用拡大を図る。
成果の内容・特徴
  1. 斜文織りによりデニム地を製織するに当り、緯糸に嵩高なネットロウシルクを用いることにより、デニム地裏面(皮膚との接触面)に多くのシルクが発現する(図1)。
  2. 緯糸に用いるネットロウシルク等、嵩高な生糸を製造するための原料繭として、「さきがけ」等の繭糸繊度の太い蚕品種繭を用いることにより、デニム地裏面により多くのシルクを発現させることが可能である(図1a)。
  3. 太繊度繭「さきがけ」を原料としてネットロウシルクを繰製する際に、生糸(27d)をカバーリング撚糸(Z300T/m)することにより毛羽が抑えられ、強伸度は向上した。緯糸に使われている綿糸と、カバーリング撚糸を施したネットロウシルクの物理的性質を比較したところ、強度、伸度、ヤング率ともに高い値を示した(表1)。
  4. シルクデニム地の織物性能を、シルクデニム地と同等の織物規格の綿デニム地と比較した結果、シルクデニムのヨコ方向の引張強さは綿デニムの約1.5倍、引張伸度は約3倍であった。また、剛軟度試験はシルクデニムが綿デニムに比べ軟らかいことを示していた(図2)。
  5. 本法により製織したデニム地を用いてジーンズを作製し、試着試験を行ったところ、綿ジーンズと比較して軽く、肌触りが良く、暖かいとの評価を得た(図3)。

図1

表1

図2

図3
成果の活用面・留意点シルクデニム地をジーンズ以外のカジュアル部門へ利用することにより、日常の生活用品としてシルクの需要拡大が見込まれる。
具体的データ
図表
図表
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予算区分交付金
研究期間2002~2006
研究担当者永易健一、於保正弘、吉田主成、高林千幸、寺本英敏、中屋昭、中島健一
発表論文中屋昭,中島健一,野崎稔,吉田主成,永易健一,(2002)日本シルク学会研究発表要旨集録 50 : 180-181.
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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