カイコ遺伝子の80%を網羅するESTデータベースとマイクロアレイ作製

カイコ遺伝子の80%を網羅するESTデータベースとマイクロアレイ作製

タイトルカイコ遺伝子の80%を網羅するESTデータベースとマイクロアレイ作製
要約カイコの様々な組織のcDNAライブラリーを作成し、これらから任意に選んだクローンを解析し、約85,000個のESTを決定した。これらは17,615種に分類され、カイコの全予測遺伝子の80%を網羅する。得られたEST分類情報に基づき6,000個の独立ESTを固定したESTマイクロアレイを作製した。農業生物資源研究所・ゲノム研究グループ・昆虫ゲノム研究チーム
キーワードカイコ、cDNAライブラリー、ESTデータベース、ESTマイクロアレイEST(発現配列標識情報)解析は遺伝子配列情報を効率的に収集できる方法であり、その配列情報をまとめたESTデータベースは個々の生物における遺伝子機能解析研究の重要な基盤となる。昆虫新産業創出ならびに昆虫機能研究の活性化を目的として、カイコの全発現遺伝子を網羅するESTデータベース構築が求められている。併せて、遺伝子機能解析研究への有効な手段となるESTマイクロアレイの作製が要請されている。
担当機関(独)農業生物資源研究所 ゲノム研究グループ 昆虫ゲノム研究チーム
連絡先:029-838-6120
区分(部会名)生物資源
分類知的貢献
背景・ねらいEST(発現配列標識情報)解析は遺伝子配列情報を効率的に収集できる方法であり、その配列情報をまとめたESTデータベースは個々の生物における遺伝子機能解析研究の重要な基盤となる。昆虫新産業創出ならびに昆虫機能研究の活性化を目的として、カイコの全発現遺伝子を網羅するESTデータベース構築が求められている。併せて、遺伝子機能解析研究への有効な手段となるESTマイクロアレイの作製が要請されている。
成果の内容・特徴
  1. カイコの遺伝子発現には組織や発生段階によって特異性が存在する。これらの全発現遺伝子を網羅するために、19種類の様々な組織およびそれらの異なる発生段階から53個のcDNAライブラリーを作成し、各ライブラリー当たり1,000個以上のESTを決定した。現在までに総計約85,000個のESTを決め、17,615種の独立ESTに分類した。カイコ全遺伝子数は約20,000個と予測されているので、80%以上の遺伝子がESTとして獲得されたと考えられる(図1)。
  2. ESTデータベースを生物研DNAバンクより公開しているKAIKObase (http://sgp.dna.affrc.go.jp/)に移植し、カイコ全ゲノムショットガン塩基配列(WGS)情報と合わせて遺伝子機能解析研究に利用できるシステムを整備した。
  3. 17,615種類のESTの中から6,000個の独立ESTを選択し、ガラス基板上に固定したESTマイクロアレイを作製し、遺伝子機能研究用手段とした(図2)。6,000個の遺伝子はカイコ全遺伝子の約30%を網羅し、それらの発現変動を定量的に調べることができ、その結果をESTデータベースと照合することにより遺伝子機能解析研究における効率的な手段となる。
図1
図2
成果の活用面・留意点
  1. カイコESTデータベースをもとにして、アノーテーション、比較ゲノム研究、および遺伝子機能解析研究に必須な完全長cDNAデータベース作製を行う。
  2. 本ESTデータベースはカイコ予測全遺伝子の80%以上を網羅しており、現在得られている17,615の独立ESTを配置したマイクロアレー作製を行う。今後、完全長cDNAデータベースを構築し、その結果を活用したDNAチップの作製を目指す。
  3. ESTデータベース、ゲノム塩基配列情報、および遺伝子地図情報を統合したデータベースKAIKObaseを拡充・整備し、公開する。
具体的データ
図表
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予算区分昆虫テクノ
研究期間2002~2004
研究担当者三田和英、山本公子、門野敬子
発表論文Mita K, Morimyo M, Okano K, Koike Y, Nohata J, Kadono-Okuda K, Yamamoto K, Suzuki M, Shimada T, Goldsmith MR, Maeda S, (2003)The construction of an EST database for Bombyx mori and its application. Proc. Natl. Acad. Soc. USA 100, 14121-14126.
Ote M, Mita K, Kawasaki H, Seki M, Nohata J, Kobayashi M, Shimada T. (2004)Microarray analysis of gene expression profiles in wing discs of Bombyx mori during pupal ecdysis. Insect Biochem. Mol. Biol. 34, 775-784.
Niwa R, Matsuda T, Yoshiyama T, Namiki T, Mita K, Fujimoto Y, Kataoka H, (2004)CYP306A1, a cytochrome P450 enzyme, is essential for ecdysteroid biosynthesis in the prothoracic glands of Bombyx and Drosophila. J. Biol. Chem. 279, 35942-35949.
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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