栽培イネ・コアコレクションの作成

栽培イネ・コアコレクションの作成

タイトル栽培イネ・コアコレクションの作成
要約 ジーンバンクに保存されている栽培イネOryza sativaから、DNAマーカーの変異に基づき母集団で検出される対立遺伝子の90%を含む世界イネ・コアコレクション(WRC)66点、日本在来イネ・コアコレクション(JRC)35点を選定し、配布できる体制を整えた。
キーワード栽培イネ、コアコレクション、遺伝的多様性、DNAマーカー、遺伝資源
担当機関(独)農業生物資源研究所 ジーンバンク 植物資源研究チーム
連絡先029-838-7458
区分(部会名)生物資源
分類技術開発
背景・ねらい農業生物資源ジーンバンクには、約3万点(品種・系統)の栽培イネOryza sativa遺伝資源が保存されている。多様な対立遺伝子すなわち蓄積された自然変異を効率的に検出し、その利用を促進するためには、できるだけ少数の系統で情報量の多いリソースを多数の研究者に供給できる体制を整えることが必要である。そのために、ジーンバンクに保存されているイネ遺伝資源が持つ遺伝的多様性を最大限含む最小の品種セット、すなわちコアコレクションをDNAマーカー変異に基づいて選定する。
成果の内容・特徴
  1. パスポート情報をもとに選んだ世界各地の栽培イネ332点について、184座のRFLPマーカーを調査し系統樹を作成した。供試品種は3群に分かれ、日本晴を含むジャポニカ品種群と2つのインディカ品種群に分かれた。インディカ品種は、Kasalathを含む南アジアを主原産地とする品種群と、東南アジアを主原産地とする品種群の2群に分かれた(図1)。
  2. 世界各地のイネがもつ対立遺伝子の90%以上を含むように一定の遺伝的類似度で系統樹を区切り、66点を世界イネ・コアコレクション(WRC)として選定した。
  3. WRCは、稈長、穂長、穂数、出穂日などの農業形質について母集団の変異の大半を含む(図2)。
  4. 日本在来品種236点間に多型を示すSSRマーカー32座の変異を調べ、既報の形態・生理形質の特徴およびSSRマーカーの変異に基づき、35品種からなる日本在来イネ・コアコレクション(JRC)を選定した。
  5. JRCは、母集団の含有する変異のうちSSRマーカー変異の94%を含有し、農業形質の変異の大半をも含む(図3)。
  6. WRCとJRCは系統内多型を可能な限り排除しながら増殖した。ジーンバンクにおいて新たにパスポート情報を整備し、配布の体制を整えた。

図1

図2

図3

成果の活用面・留意点
  1. コアコレクションは有用変異を検索するためのバイオリソースとしてイネの遺伝学や育種に広く利用できる。また、コアコレクションは遺伝資源の利用促進を図るための重要な研究用リソースである。
  2. WRCは今年度から試験的な配布を始めており、JRCと併せて来年度から配布を開始する。
  3. WRCの一部は、地域によっては圃場で出穂しないので、栽培時に注意する必要がある。
具体的データ
図表
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予算区分交付金(ジーンバンク)
研究期間2000~2004
研究担当者河瀬眞琴、江花薫子、小島洋一朗、松井崇晃、長峰司、入江憲治、福岡修一
発表論文1)小島、江花、福岡、松井、長峰、河瀬(2003)育種学研究 5:(別2)250
2)小島、福岡、江花、入江、河瀬(2004)育種学研究 6:(別1)168
3)Kojima, Ebana, Fukuoka, Kawase, Nagamine and Okuno(2004)World Rice Research Conference.
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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