カイコゲノム統合地図

カイコゲノム統合地図

タイトルカイコゲノム統合地図
要約1755個のBACマーカーをマップした高密度BACマーカー連鎖地図を作成した。BACクローン約8万個のフィンガープリントからBACコンティグを作成し、BACマーカーを用いて連鎖地図に貼付け、染色体の76%をBACクローンでカバーするカイコゲノム統合地図を作成した。
キーワードカイコ、一塩基多型(SNP)連鎖地図、フィンガープリント、BACコンティグ
担当機関(独)農業生物資源研究所 昆虫科学研究領域 昆虫ゲノム研究
連絡先029-838-6120
区分(部会名)生物資源
分類知的貢献
背景・ねらい
カイコには、食性、斑紋、ウイルス抵抗性、休眠等の様々な突然変異形質を示す変異系統がある。それらの原因遺伝子を同定・単離することは、遺伝子機能と形質発現メカニズムの解明につながり、それら遺伝子機能の応用を進める上で重要である。ポジショナルクローニングは、遺伝子の同定・単離に有効な手法であるが、その効率化には、高密度に分子マーカーがマップされた連鎖地図と物理地図を統合したゲノム統合地図が不可欠である。本研究では、BAC末端塩基配列情報から一塩基多型(SNPs)を検出し、その連鎖地図を作成するとともに、BACクローンのフィンガープリント解析からBACコンティグ(物理地図)を作成し、共通のBACマーカーにより両者を統合した地図作製を目指している。
成果の内容・特徴1.BAC末端塩基配列から一塩基多型(SNPs)を検出し、1755のBACマーカーを28本の染色体にマップした高密度BACマーカー連鎖地図を作成した。この地図は平均マーカー間距離が270 kbという高密度のものである。
2.BACクローン約8万個のフィンガープリントを行い、6221個のBACコンティグを作成した。共通のBACマーカーによりBACコンティグを連鎖地図上に貼付け、染色体の76% (361.1 Mb)をBACクローンでカバーすることができた(表1)。
3.ESTをプローブとするBACフィルターハイブリダイゼーションにより724個の遺伝子を統合地図上にマップできた(表2)。
4.制限酵素断片多型解析 (RFLP)により964個のESTを28本の染色体に帰属させた(表2)。
5.これらの情報を統合したゲノム統合地図を作成した。この統合地図は様々な形質突然変異体のポジショナルクローニングに強力なツールとして利用されている。また全ゲノムショットガンアセンブリの評価およびスキャホルドのマッピングの基盤となっている。
成果の活用面・留意点1.カイコゲノム統合地図は有用形質原因遺伝子のポジショナルクローニングの効率を極めて高め、有用遺伝子の簡便な単離を通じて機能解析研究への貢献が非常に大きくなった。
2.今後は、ポジショナルクローニング、遺伝子単離をより一層加速させるために、全染色体を最小の数のBACクローンで網羅するBACミニマムタイリングパスを作成し、より強力なツール、リソースを構築する。これらの情報やツールを国内外の研究者が利用できる共同利用施設ができれば、効率的に機能解析研究に寄与できることは明らかである。

具体的データ
表1
表2
予算区分昆虫ゲノム
研究期間2003~2007
研究担当者三田和英、山本公子、生川潤子、末次克行、門野敬子、野畑順子
発表論文1)Yamamoto K, Nohata J, Kadono-Okuda K, Narukawa J, Sasanuma M, Sasanuma S,Minami H, Shimomura M, Suetsugu Y, Banno Y, Osoegawa K, Jong P.J de, Goldsmith M.R, Mita K (2008) A BAC-based integrated linkage map of the silkworm, Bombyx mori.Genome Biology 9(1):R21.
2)Suetsugu Y, Minami H, Shimomura M, Sasanuma S, Narukawa J, MitaK,Yamamoto K (2007) End-sequencing and characterizationof silkworm (Bombyx mori) bacterial artificial chromosome libraries. BMC Genomics 8:314.
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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