イネ縞葉枯病抵抗性品種育成におけるヘテロ個体を識別するDNAマーカー

イネ縞葉枯病抵抗性品種育成におけるヘテロ個体を識別するDNAマーカー

タイトルイネ縞葉枯病抵抗性品種育成におけるヘテロ個体を識別するDNAマーカー
要約DNAマーカーN0708は日本型イネ品種から特異的にDNA断片を増幅する。N0708およびイネ縞葉枯病抵抗性個体を識別するDNAマーカーST10のそれぞれの結果を組み合わせることにより、ヘテロ個体を識別することが可能となる。
キーワードイネ、縞葉枯病、抵抗性品種、DNAマーカー、マーカー育種、ヘテロ個体
担当機関(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター 生産環境部 ウイルス病研究室
連絡先011-857-9278 / hsyuriko@affrc.go.jp / hsyuriko@affrc.go.jp
区分(部会名)作物
区分(部会名)北海道農業
専門生物工学
専門生産環境
分類科学、普及
背景・ねらいインド型イネ品種「Modan」に由来するイネ縞葉枯病抵抗性を識別するDNAマーカーST10は、現在、国内においてマーカー育種に最も利用されているマーカーのひとつである。ST10は抵抗性優性マーカーであるため、それのみのPCRの結果からヘテロ個体を識別することはできない。水稲品種育成システムによっては、より迅速に育種を進めるためにヘテロ個体を識別したいという要望がある。そこで、ST10座近傍にあり、かつ、ヘテロ個体を識別可能なマーカーを開発する。
成果の内容・特徴
  1. DNAマーカーN0708座はイネ第11染色体長腕上に座乗し、ST10座の末端側約40kb(日本型イネ品種「日本晴」の塩基配列情報より算出)にある(図1)。
  2. 本マーカーは図2に示す2種1組のオリゴヌクレオチドである。
  3. 本マーカーを用いたPCRにおいては、感受性日本型イネ品種、系統ホモ個体およびヘテロ個体より約470bpの特異的DNA断片を増幅する(図3)。
  4. イネ縞葉枯病抵抗性識別マーカーST10(特許第3069662号)のPCR結果と組み合わせることによりヘテロ個体を識別し、抵抗性ホモ個体のみを選抜できる(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 感受性日本型イネ品種のうち、「日本晴」、「黄金晴」、「農林8号」、「コシヒカリ」以外の感受性品種については特異的DNA断片の増幅の確認が必要。
  2. ST10とN0708の連鎖が切れる確率は近交系(「黄金晴」×「月の光」)F7集団において約1/3600である。
  3. ST10とN0708をそれぞれPCRした方が判別し易い。
  4. ST10の利用には特許許諾が必要。
具体的データ
図1
図2
図3
図4
予算区分委託プロ(ミュータントパネル)
研究期間2001~2003
研究担当者早野由里子、齋藤浩二、藤井 潔(愛知農総試)、杉浦直樹(愛知農総試)、眞岡哲夫、福本文良
発表論文1) 早野由里子(2002) 北海道農業研究センター報告 175:1-45.
2) 早野由里子、藤井 潔(2003) 育種学研究 5:121-125.
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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