飼料用、バイオ燃料用としての利用が期待できる水稲新品種候補「北海飼308号」

飼料用、バイオ燃料用としての利用が期待できる水稲新品種候補「北海飼308号」

タイトル飼料用、バイオ燃料用としての利用が期待できる水稲新品種候補「北海飼308号」
要約「北海飼308号」は北海道での出穂期が“中生の早”に属する極多収系統である。全重収量および玄米収量が高く、稲発酵粗飼料、飼料米、バイオエタノール原料としての利用が期待できる。
キーワードイネ、極多収、飼料イネ、稲発酵粗飼料、飼料米、バイオエタノール
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター 特命チーム員(低コスト稲育種研究チーム、米品質研究チーム)
連絡先011-857-9260 / seika-narch@naro.affrc.go.jp / seika-narch@naro.affrc.go.jp
区分(部会名)作物
区分(部会名)北海道農業
区分(部会名)バイオマス
分類技術、参考
背景・ねらい米は生産過剰にあり水田での転作が求められる一方、国内の飼料自給率は低く自給飼料の増産が求められている。このような状況の中で水田を維持しながら飼料生産が可能となる飼料イネが転作作物として注目されている。また、近年バイオ燃料の生産が注目されており、米はその原料の一つとして検討されている。
これまでに北海道で栽培できる飼料用稲品種はなく、専用品種育成の要望は強い。また今後、バイオ燃料の原料として専用品種の要望も強まると考えられる。そこでこのような要望に応えるため、北海道での栽培に適した極多収品種の育成を行う。
成果の内容・特徴
  1. 水稲「北海飼308号」は、「北陸187号」(後の「夢あおば」)と「初雫」とのF1と「空育163号」(後の「ななつぼし」)との交配後代から育成された系統である。
  2. 育成地における出穂期は「きらら397」並の“中生の早”、黄熟期および成熟期は「きらら397」より遅い“晩生の早”である(表1)。
  3. 育成地における黄熟期の乾物全重は多肥区では142kg/aで、「きらら397」より17%高く(表1)、極多肥区では157kg/aで、「きらら397」より13%高い。
  4. 育成地における黄熟期のホールクロップTDN収量は多肥区では89.3kg/aで、「きらら397」より22%高く(表1)、極多肥区では99.2kg/aで、「きらら397」より17%高く(表2)、飼料として有望である。
  5. 育成地における粗玄米収量は多肥区では82.5kg/aで、「きらら397」より26%高く(表1)、極多肥区では87.2kg/aで、「きらら397」より18%高い(表2)。
  6. 玄米の発酵特性は北海道の多収品種「大地の星」と大きな差はなく(表3)、バイオエタノール原料として有望である。
  7. 穂ばらみ期耐冷性は“やや強”であり、「きらら397」と同ランクである(表1)。
  8. いもち病真性抵抗性遺伝子型は“+”と推定され、圃場抵抗性は葉いもちは“やや弱”、穂いもちは“弱”で「きらら397」より弱い(表1)。
  9. 耐倒伏性は「きらら397」よりやや弱く「ななつぼし」並である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 耐冷性が十分ではないため、冷害危険期の深水管理等十分な対策を講じる。
  2. いもち病抵抗性は十分ではないので、適正な防除に努める。
  3. 耐倒伏性は強くないので、極端な多肥栽培は避ける。
  4. 奨励品種決定調査を継続するとともに、現地栽培実証試験、飼料特性評価試験、発酵特性評価試験を実施して優秀性・有用性を評価し、普及の可能性や栽培可能地帯を検討する。
具体的データ
図表
図表
図表
予算区分基盤、委託プロ(えさプロ)
研究期間2000~2007
研究担当者清水博之、横上晴郁、松葉修一、安東郁男、黒木慎
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat