バイアル瓶を採気容器としたガスサンプリングによる温室効果ガス 測定

バイアル瓶を採気容器としたガスサンプリングによる温室効果ガス 測定

タイトルバイアル瓶を採気容器としたガスサンプリングによる温室効果ガス 測定
要約 真空引きしたバイアル瓶(約13mL容、ブチルゴム栓)をサンプル容器とした場合の、サンプルガス中メタンと亜酸化窒素濃度測定値の変化(容器内採取ガス濃度の減衰)について検討を行い、その減衰が誤差の範囲に止まり、温室効果ガス排出量算定法を検討するためのデータ取得にも有効な輸送手段と確認された。
キーワードバイアル瓶、採気容器、メタン、亜酸化窒素、畜産環境
担当機関(独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 畜産環境部 資源化研究室
連絡先029-838-8676 / osada@affrc.go.jp / osada@affrc.go.jp
区分(部会名)畜産草地
分類技術、参考
背景・ねらい
温室効果ガス(メタンや亜酸化窒素等)の測定にはガスクロマトグラフが主に用いられ、採取したサンプルを測定室まで搬送する必要があり、その方法を検討しておく必要がある。我々は真空引きしたバイアル瓶(約13mL容、ブチルゴム栓)をサンプル容器とした場合の測定値の変化(容器内減採取ガス濃度の減衰)について検討を行った。
成果の内容・特徴
1.
サンプルが減衰する原因として、容器中のガスと外気とのガス交換が考えられる。ゴム栓の隙間やサンプル注入時のシリンジ孔等から時間経過や輸送時の状態によって容器内のガス濃度が変化することが想定される。そこで、既存濃度のガスをバイアル瓶に注入しその減衰について
1) 採取からの時間経過による減衰および、2)輸送時の減圧環境下の減衰を検討した。
2.
試験の対象としたガスは、a)当試験場堆肥盤の空気(BG)、b) a)の気体に、測定対象のCO2、N2O、CH4の濃度が a)の2倍程度になるように調整した空気(BG+Lo)、c)
a)気体に、測定対象のCO2、N2O、CH4の濃度が a)の10倍程度になるように調整した空気(BG+Hi)、以上3種。
3.
サンプリングからの時間経過(図1)を想定し、容器内のガス濃度の変化を検討した。N2O、CH4については3水準とも、5日間は分析時の繰り返し誤差程度であり、ゴム栓の隙間等からバイアル瓶内ガスの環境空気との交換は、無視できる範囲と考えられた。
4.
また、航空機内は地上の大気圧環境(1 atm, 101.3kPa 程度)よりも低い環境圧となるため、バイアル内のガスが逃げやすい環境となる。そこで、国内線のフライトを想定し、35,000
feet(10,500m)の機内気圧環境である0.814 atm で2時間バイアル瓶内ガスの減衰を検討した。上記の試験と同様のサンプル(3種)をバイアル瓶につめ、減圧環境前後のガス濃度を比較した結果、サンプル濃度への影響は認められなかった。
5.
この結果から、メタン・亜酸化窒素の分析にこの方法を用いて有効なデータが取れる事が判った。しかし二酸化炭素は、1日後で、すでに初発濃度の高い2水準で5%程度の減衰を認めた。
6.
本手法で行った畜産農家における調査の、メタン(y軸)と亜酸化窒素(x軸)の各濃度を清浄値(BG)に対する比率でプロットした(図2)。共に堆肥化処理施設の調査地点で大気環境レベルを上回り、堆肥化からの両ガス放出が普遍的であることが確認された。
7.
上記調査で、メタンは3.3 ppm~15.8ppmの値が測定され、堆肥化経過日数が長い堆肥では値が低い傾向にあった。亜酸化窒素は高い価でも大気レベルの2倍程度にすぎない(306ppb~627ppb)。
成果の活用面・留意点
1.
器内のガス濃度保持のため、サンプリング時には陽圧に注入しておくことが望ましい。
2.
この容器(約13mL容)を用いた場合、2~3回(1mL程度)のガス注入・測定が安定して可能であったが、精度の保持のためには1容器で1回の注入・測定に限る事が望ましい。
具体的データ
図表
図表
予算区分経常研究
研究期間1998~2000
研究担当者長田隆、田中康男、和木美代子
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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