bm3型トウモロコシサイレージ摂取牛の産乳性と第一胃液性状

bm3型トウモロコシサイレージ摂取牛の産乳性と第一胃液性状

タイトルbm3型トウモロコシサイレージ摂取牛の産乳性と第一胃液性状
要約泌乳牛によるbm3型トウモロコシサイレージの乾物摂取量は、通常型トウモロコシや牧草サイレージよりも高く、産乳量は通常型トウモロコシ並である。bm3型トウモロコシの粗飼料価指数(RVI)は、牧草サイレージより短いものの乳脂率は変わらず、第一胃滞留時間が長く、第一胃液性状を安定させる効果がある。
キーワードトウモロコシ、繊維消化率、乳用牛、RVI、第一胃液性状、飼料利用
担当機関(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター 畜産草地部 飼料評価研究室
連絡先011-857-9236 / tomoko@affrc.go.jp / tomoko@affrc.go.jp
区分(部会名)畜産草地
区分(部会名)北海道農業
専門畜産草地
分類参考、科学
背景・ねらい飼料自給率の向上や環境保全に配慮した泌乳牛の栄養管理技術の確立にはトウモロコシの利用拡大が不可欠であるものの、トウモロコシサイレージは有効繊維含量が低く、ルーメンアシドーシス等の疾病を招きやすいとの認識があるため、現在の泌乳牛への給与量は粗飼料中の3割以下(1日1頭当たり約5kg(乾物))と少ない。そこで、本研究では、リグニン合成抑制遺伝子を持ち、消化性の高い繊維が豊富とされるbm3型トウモロコシを利用して、トウモロコシサイレージの給与量増大が可能か否か、乳牛の採食性、産乳性、咀嚼行動および第一胃液性状から多面的に検討する。
成果の内容・特徴
  1. bm3型トウモロコシは通常型トウモロコシに比べ、中性デタージェント繊維(NDF)消化率が5.2%高く、セルロース消化率は7%高い(図1)。
  2. 粗飼料中のトウモロコシの構成割合を現行よりも高い6割に高めた混合飼料(粗濃比6:4のTMR)(表1)を給与した泌乳牛のbm3型トウモロコシサイレージの採食量は、通常型トウモロコシやイネ科牧草のサイレージよりも高く、産乳量は通常型トウモロコシ並である(表2)。
  3. bm3型トウモロコシサイレージの粗飼料価指数(RVI:摂取量1kgあたりの総咀嚼時間)は、牧草サイレージよりは短いものの反芻胃恒常性維持の目安とされる30分/kgは確保され、乳脂率は牧草サイレージや通常型トウモロコシサイレージと変わらない。bm3型トウモロコシは他の飼料よりも第一胃滞留時間が長い(表2)。
  4. bm3型トウモロコシサイレージ摂取牛の第一胃液のpHは、採食前は牧草サイレージと同様な値であるが、給与後3時間以降は高く推移する。また、採食後の総酸に対する酢酸の比率も他の飼料よりも高く推移する(図2)。
  5. 以上の結果は、リグニン含量が少ないbm3型トウモロコシサイレージの採食性は高く、第一胃滞留時間が長いことから、第一胃液性状をより安定化できるため、現行よりも高い割合での給与が可能であること、良質粗飼料を必要とする高泌乳牛の泌乳前期の粗飼料源として期待できることを示している。
成果の活用面・留意点
  1. bm3型トウモロコシの飼料特性に関する知見として、品種育成に有効な情報として活用できる。
  2. イネ科牧草(オーチャード主体1番草)は出穂期、トウモロコシは黄熟後期に、いずれも切断長9mmでサイレージ調製し、得られたデータである。
具体的データ
図1
表1
表2
図2
予算区分交付金
研究期間2002~2004
研究担当者大下友子、野中和久、久米新一(京大)、小酒井貴晴、上田宏一郎(北大)、三木一嘉、青木康浩、秋山典昭
発行年度2004
収録データベース研究成果情報

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