サイレージ用トウモロコシ市販品種における種子の冠水抵抗性の品種間差異

サイレージ用トウモロコシ市販品種における種子の冠水抵抗性の品種間差異

タイトルサイレージ用トウモロコシ市販品種における種子の冠水抵抗性の品種間差異
要約サイレージ用トウモロコシ市販品種における種子の冠水抵抗性には顕著な品種間差異が存在し、冠水抵抗性が弱~中程度の品種は冠水3日目で発芽率が50%以下に低下する。
キーワード耐湿性、トウモロコシ、発芽、品種間差異、栽培・作付体系、飼料作物栽培・調製・評価
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 飼料作生産性向上研究チーム
連絡先0287-37-7805
区分(部会名)畜産草地
分類研究、参考
背景・ねらいサイレージ用トウモロコシは、収量、飼料価値ともに優れる飼料作物であるが、耐湿性が高くないため、転換畑や排水不良圃場では土壌の過湿がしばしば生産阻害要因となる。このため、少しでも過湿条件に強い品種を選定し、収量の安定化を図ることが必要である。そこで、我が国で市販されているサイレージ用トウモロコシ品種について種子の冠水抵抗性を比較するとともに、その品種間差異の要因について解析を行う。
成果の内容・特徴
  1. 2005年春播き用市販種子(51品種)及び2006年春播き用市販種子(76品種)を供試し、冠水区(25℃、8日間冠水)及び無冠水区(対照区)の種子を25℃で5日間発芽させ、冠水区における発芽率の無冠水区に対する割合(%)を冠水抵抗性として評価したところ、両年の市販種子とも冠水抵抗性に顕著な品種間差異が認められる(図1)。
  2. 2005年及び2006年に共通する41品種の両年における冠水抵抗性を比較したところ、冠水抵抗性の評価値には年次間変動が認められるものの、2か年とも平均値を上回る品種が6品種存在する(図2)。
  3. 2006年用種子の冠水抵抗性評価値がそれぞれ2%、19%、72%であったディアHT、36B08、セシリアを冠水抵抗性が弱、中、強の品種と考え、冠水日数の経過に伴う発芽率の変化を比較した。冠水抵抗性が弱~中程度のディアHT及び36B08は冠水処理の経過に伴い発芽率が急速に低下し、冠水3日目で50%以下の相対発芽率(対照区に対する相対発芽率)となるが、抵抗性が強のセシリアは、冠水処理開始後12日が経過しても40%程度の相対発芽率を維持する(図3)。
  4. 冠水抵抗性が高いと評価されたセシリア及びNS110(2006年用種子の冠水抵抗性評価値がそれぞれ72%及び68%)の種子について、胚の1mm程度横を5mm程度切開する処理(種皮切開区)を行い、その効果を無冠水区及び冠水区(25℃、8日間冠水)で比較した。その結果、種皮切開処理は、無冠水区における両品種及び冠水区におけるセシリアの発芽率に影響を及ぼさなかったものの、冠水区のNS110の発芽率の低下及び浸漬液中の電気伝導率の増加をもたらした(表1)。これらのことから、品種によっては、種皮の物理的な保護が冠水抵抗性に影響を及ぼしていることが示唆される。
成果の活用面・留意点
  1. 湿害発生圃場おける飼料用トウモロコシ品種選定のための基礎情報となる。
  2. トウモロコシ品種・系統の発芽時の冠水抵抗性と生育期の耐湿性とでは強弱の傾向が一致しないことが知られており、生育期の耐湿性については別途検討が必要である。
具体的データ
図1.2005 年及び2006 年用種子における供試品種の冠水抵抗性の品種間差異.
図2 .2005 年及び2006 年に共通する41 品種の両年における冠水抵抗性の相関関係.
図3 .2006 年用種子において冠水抵抗性を異にする3 品種の冠水経過日数と相対発芽率の推移の関係.
表1 .種皮の切開が冠水条件下での発芽率及び浸漬液中の電気伝導率に及ぼす影響.
予算区分エサプロ
研究期間2005~2006
研究担当者菅野 勉、森田聡一郎、黒川俊二、間野吉郎 
発行年度2006
収録データベース研究成果情報

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