黒毛和種親子放牧条件下の排卵同期化による分娩後繁殖機能回復の早期化

黒毛和種親子放牧条件下の排卵同期化による分娩後繁殖機能回復の早期化

タイトル黒毛和種親子放牧条件下の排卵同期化による分娩後繁殖機能回復の早期化
要約親子放牧条件下において、分娩後20日目から腟内留置型プロジェステロン放出製剤(CIDR)を併用する排卵同期化処置(CIDRsynch)を行うことにより、卵巣機能が回復し、分娩後30日目に定時人工授精(TAI)を行うことができ、受胎も可能となる。
キーワード放牧、分娩後早期、卵巣機能回復、排卵同期化、定時人工授精、肉用牛
担当機関(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 山地畜産研究チーム
連絡先0267-32-2356
区分(部会名)畜産草地
分類技術、参考
背景・ねらい放牧では監視に多大な労力や時間が必要であることから、大規模化を目的とした放牧飼養の導入には省力的な繁殖管理がより強く求められる。放牧条件下における排卵同期化-定時人工授精法の実施は作業性向上に有効であり、分娩後早期に実施することにより、分娩間隔を短縮させ、繁殖効率の向上が期待できる。そこで、放牧条件下における分娩後早期の排卵同期化処置について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 寒地型イネ科牧草優占草地において、哺乳時補助飼料(増飼い)無給与で親子放牧を行っている黒毛和種繁殖牛に対し、排卵同期化処置として腟内留置型プロジェステロン放出製剤(CIDR)を併用する排卵同期化処置(CIDRsynch)法を実施する(図1)。
  2. 分娩後20日目からCIDRsynch処置を開始する場合、無処置に比べて、早い時期からプロジェステロン(P4)濃度の周期的変動が開始する(図2)。
  3. CIDRsynch処置を分娩後20目から開始し、30日目に定時人工授精(TAI)を行う場合(早期処置区;n=16)のエストラジオール17β(E2)濃度は、自然に発情が回帰し、その後の発情周期に問題を認められず、分娩後60日以上経過した個体にCIDRsynch処置を実施する場合(通常処置区;n=4)と同様の反応を示し、PGF2α投与(処置7日目)後2日以内に上昇し、TAI時には下降する(図3)。
  4. 早期処置区は、全頭において2回目のGnRH投与時に10mm以上の卵胞が発育する。また、TAI時より以前に排卵する個体は見られず、TAI後24時間以内に排卵する。さらに、この時に排卵が観察された側の卵巣に黄体が形成されるなど、通常処置区と同様の卵巣動態を示す(表1)。
  5. 早期処置区における受胎率は、通常処置区と変わらない(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 放牧条件下において、分娩間隔の短縮に活用できる。また、分娩後日数が異なる牛群を一括処置することにより繁殖管理の作業性向上に活用できる。
  2. 本成果は試験を7月~10月に行い、産歴が2~4産の供試牛を用いた結果である。繁殖機能に栄養状態や産歴が影響することから、放牧草地や分娩季節、産歴が異なる場合は、別途検討が必要である。
具体的データ
表1.繁殖成績と卵巣動態
予算区分基盤
研究期間2006~2007
研究担当者山口 学、木戸恭子、林 義朗 
発行年度2007
収録データベース研究成果情報

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