家蚕卵黄の生体膜融合特性

家蚕卵黄の生体膜融合特性

タイトル家蚕卵黄の生体膜融合特性
要約イオンチャネル活性の測定方法であるリン脂質平面膜法を用い、家蚕卵黄の待性を調べ、電位に応じて生体膜に融合する成分があることを見出した。卵黄をゲル濃過法により分画し、各分画の特性を調ベ、卵特異性タンパク質がその主な要因であることを見出した。
担当機関蚕糸・昆虫農業技術研究所 機能開発部 生体機能模倣研究室
連絡先0298-38-6164
区分(部会名)蚕糸・昆虫機能
専門昆虫機能
研究対象
分類研究
背景・ねらい家蚕卵に含まれる主要なタンパク賛は卵黄であり、これはビテリン、卵特異性タンパク質(ESP)、および分子量3万前後のタンパク質から構成されている。ビテリンとESPには糖・脂質・リン酸が結合している。また、ESPには数カ所の疎水性領域がある。すなわち、家蚕卵黄には生体膜との関連性が見込まれるが、これは全く解明されていない。胚発育の人為的制御、例えば家蚕卵凍結保存などの必要性は高まっているが、その実現には卵黄の機能・挙動の解明が不可欠である。そのため、人工的な生体膜を用い、卵黄の生体膜融合待性を調べる。
成果の内容・特徴
  1. 電解質溶液中で、リン脂質を用いた平面状の2分子層膜を作成した(図 1)。一方、ゲル濾過法により、ビテリン(分画A)、ESPとビテリンの混合物(分画B)、分子量3万前後のタンパク質(分画C)、およびタンパク質以外の成分(分画D)、以上4分画を卵黄から得た(図 2)。
  2. 膜の近傍に末分画の卵黄を添加すると、膜に電位を加えると膜電流が変化し始め(図 3)、卵黄中のある物質が電位に促されて膜に融合するものと思われる。
  3. 分画CとDをリン脂質膜に添加しても、膜電流は一切変化しなかった。
  4. 分画Bは、末分画の卵黄と同様の生体膜融合性(図 4)を示した。
  5. 分画Aは、膜電位の方向に依存しない融合性を示した。
  6. 未分画の卵黄は、ESP単独の場合よりも生体膜融合性が高いと思われる。
  7. ビテリンにも生体膜融合性があると思われるが、ESPとは異なる待性である。
成果の活用面・留意点trans側電位がマイナスである細胞、例えば安静状態の神経細胞にESPが作用する場合、神経毒と同様の影響を与える恐れがあり、その生理的機能を十分かつ慎重に調べる必要がある。
具体的データ
(図 1)
(図 2)
(図 3)
(図 4)
予算区分経常
研究期間1995~1995
研究担当者玉田靖、都島美行
発表論文1)未受精家蚕卵ミクロソーム小胞のイオンチャネル活性,日蚕雑64(1), p.68-71, 1995
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

研究成果情報アクセスランキング

Copyright 2017 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat