遺伝子発現レベルにおけるカイコの形態形成異常系統の解析

遺伝子発現レベルにおけるカイコの形態形成異常系統の解析

タイトル遺伝子発現レベルにおけるカイコの形態形成異常系統の解析
要約カイコの胸部形成異常系統Ncと腹部形成異常系統 ENについてホールマウントin situハイブリダイゼーションを行いNcはBmAntp遺伝子のホメオボックス領域を欠失しており、ENは腹部でのBmAntp遺伝子の発現を抑制する機能が欠如していることを遺伝子発現レベルにおいて明らかにした。
担当機関蚕糸・昆虫農業技術研究所 生産技術部 蚕育種研究チーム
連絡先0263-32-0549
区分(部会名)蚕糸・昆虫機能
専門育種
研究対象
分類研究
背景・ねらいカイコの品種や系統を遺伝子レベルで同定し、その特性を解明することは、育種面への利用という点からも期待されている。すでにサザン法によって遺伝子の構造変異を、ホールマウントin situハイプリダイゼーション法によって発現様式を解析する方法が確立されたところから、異なる遺伝子型をもつ系統を個体の発現レベルで解明する。
成果の内容・特徴
  1. 形態形成異常系統の遺伝子型の違いによるBmAntp遺伝子の発現パターンを個体レベルで検出した結果、胸部形成異常系統であるNcと腹部形成異常系統である ENがBmAntp遺伝子の機能に関与する系統であることがわかった。
  2. NcはBmAntp遺伝子の5'上流域は発現しているが(図 1.左上)、ホメオボックス領域では発現していないため胸部が正常に形成されないことを明らかにした(図 1.左下)。
  3. ENはBmAntp遺伝子の発現を抑制する機能が欠如しているため、腹部においてBmAntp遺伝子が過剰発現し、このことが形態異常を起こす原因の一つであることを明らかにした(図 1.右上)。
  4. ENについて腹部におけるBmAntp遺伝子の過剰発現は、ホモ型の胚(図 1.右上)では強く、正常型(図 1.右中)ではわずかであり、形態的に正常型と識別できないヘテロ型(図 1.右下)ではその中間であったことから、EN遺伝子のBmAntp遺伝子に対する抑制効果は遺伝子の量によって異なる(遺伝子量効果)ことが判明した。
成果の活用面・留意点本方法は蚕品種の特性解明を遺伝子発現レベルで解析するのに有効であるが、品種特性の発現に関わる多くの遺伝子を単離、同定してプローブに用いる必要がある。
具体的データ
(図 1.左上)
予算区分経常(所内特研)
研究期間1995~1996
研究担当者間瀬啓介
発表論文1)カイコE群の胚におけるBmAntp遺伝子の発現,日本蚕糸学会63回講演要旨, 1993
2)カイコESW,Eca,EMuの胚におけるBmAntp遺伝子の発現,日本蚕糸学会64回講演要旨, 1994
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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