昆虫筋電位記録用マイクロ電極

昆虫筋電位記録用マイクロ電極

タイトル昆虫筋電位記録用マイクロ電極
要約マイクロマシニングを利用して、昆虫の筋電位を記録するためのマイクロ電極を製作した。この試作電極は、筋肉への挿入部分の長さが約1mmで、単結晶シリコンを主要な材料とし、通電部分にはアルミニウムやチタンなどの金属を用いた。
担当機関蚕糸・昆虫農業技術研究所 機能開発部 生体機能模倣研究室
連絡先0298-38-6164
区分(部会名)蚕糸・昆虫機能
専門昆虫機能
研究対象昆虫類
分類研究
背景・ねらいシリコン等の金属やポリイミド等の高分子素材を材料とし、フォトリソグラフィと半導体加工技術を応用して、数μmから数mm程度の構造物を作る技術をマイクロマシニングという。このサイズは神経や筋肉などの生体組織と同程度なので、マイクロマシニングによってそれらの機能を解明するツールを提供できると考えられる。これにより従来のツールを用いた場合以上の詳細な生体機能の解明が期待される。そこでまず計測が比較的容易な筋電位を記録するためのマイクロ電極を設計し試作する。
成果の内容・特徴
  1. マイクロ電極として、挿入部分の長さが1mm、幅が0.1mmの構造を設計した(図1)。単結晶シリコン基板をエッチングして全体の構造を製作し、通電部にはアルミニウムなどの金属を用い、さらに全体を二酸化シリコンで覆って昆虫の体液から絶縁した。
  2. 単結晶シリコンと二酸化シリコンを任意の形状に加工するため、SF6やCHF3等のフッ素と炭素が含まれるガスを利用したドライエッチング法を採用した(図2)。
  3. 反応ガス中のフッ素の割合が大きいほど早く深くエッチングできるが、エッチング面は曲面状になる。逆に炭素の割合が大きいとエッチング時間はかかるが、より垂直に近い壁状面が得られる。その際マスクの下部までエッチングされるので、ガスの選択・反応時間等の制御が重要になる(図3)。
  4. 二酸化シリコンはシリコンに比べて非常にエッチングされにくく、シリコンと同程度の深さに削るには数十倍から100倍近い時間が必要である。
  5. 試作電極を図4に示す。1本の電極には2本の導線がある。計測時にはこの2本の導線間の差動電位を求める。また不関電極を別に用意して2チャンネルの電極としても使用できる。本電極測定対象はカイコガ程度より大きな昆虫を想定している。
成果の活用面・留意点本研究で製作した電極は昆虫だけに限らず、他の生物の筋電位を測定するのにも応用できる。また小型無線装置などと組み合わせることで、羽ばたき飛翔・走行・ジャンプなど自由行動中の昆虫の筋電位を得ることが可能である。今後電極のチャンネル数を増やす、信号増幅回路を付加するなどの改良によって、運動機能のより精細な解明が期待される。
具体的データ
(図1)
(図2)
(図3)
図4
予算区分先端技術(マイクロマシン)
研究期間1999~1999
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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