絹を利用した骨結合性材料

絹を利用した骨結合性材料

タイトル絹を利用した骨結合性材料
要約絹には、骨成分であるハイドロキシアパタイトが効率よく複合化できる。この複合化したハイドロキシアパタイトは生体骨に見られるような配向性と成分組成をもっていた。さらに絹をリン酸基を側鎖にもつメタクロイルオキシエチルフォスフェートでグラフト重合させたハイブリッド絹は複合化の効率が向上し、また骨結合性も向上した。
担当機関蚕糸・昆虫農業技術研究所 機能開発部 生体機能模倣研究室
連絡先00298-38-6164
区分(部会名)蚕糸・昆虫機能
専門昆虫機能
研究対象生糸
分類研究
背景・ねらい骨結合性材料は、骨との親和性や結合性が高い材料として、人工骨や人工腱・靱帯用材料等に要求される材料であり、金属やセラミックスを基材とする種々の材料が開発されている。さらに、生体骨との界面適合性と力学的適合性を向上させるために生体骨を模倣した有機―無機複合材料からなる骨結合性材料の研究が進められているが、まだ十分満足する材料は開発されていない。そこで、生体適合性と力学的強度に優れた絹を有機成分として用いた骨結合性材料を開発する目的で基礎的討を行った。
成果の内容・特徴
  1. カルシウム溶液とリン酸溶液に交互に浸漬する交互浸漬法により、絹にはナイロンやポリエステルよりも効率よくハイドロキシアパタイトが複合化できることがわかった。
  2. 絹と複合化したハイドロキシアパタイトは、XRD解析から結晶の配向性(図1)やFT-IRやXPS分析により生体骨類似成分組成をもつことがわかった。
  3. リン酸基を側鎖にもつメタクロイルオキシエチルフォスフェートでグラフト重合したハイブリッド絹へは、未処理絹に比べより効率よくハイドロキシアパタイトが複合化できた。
  4. ラット大腿骨に埋植したハイブリッド絹は、埋植初期(1ヶ月)では骨からの試料の引き抜き強度が未処理絹に比較して大きく、ハイブリッド化により骨結合性が向上していることがわかった(図2)。
成果の活用面・留意点
    新しい骨結合性材料としての活用が期待できるが、人工骨や人工腱・靱帯用材料としての実用化のためには、実使用に即した動物実験評価や臨床的な評価を実施する必要がある。
具体的データ
図1
図2
予算区分経常--COE
研究期間2000~2000
研究担当者COE平成12年度(平成8 ~12年度)玉田 靖古園 勉、小林一稔(COE特別研究員)
特許出願(公開)特開2000-119964(修飾絹の製造方法)“Preparation and characterization of apatite deposited on silk fabric using an alternatesoaking process”,J. Biomed. Mater. Res., 50, 344-352(2000),“絹と無機化合物”,バイオミメティックスハンドブック、483-486(2000)
発行年度2000
収録データベース研究成果情報

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