チューリップ黒腐病と褐色腐敗病の発生助長要因

チューリップ黒腐病と褐色腐敗病の発生助長要因

タイトルチューリップ黒腐病と褐色腐敗病の発生助長要因
要約黒腐病と褐色腐敗病は球根収穫後の水洗による土壌の除去や殺ダニ剤浸漬などの調整作業中に濡れることにより多発する。この薬液が反復使用されると液中の病原細菌の濃度が高まり発病が助長される。また、追肥量が多い場合や水洗後の乾燥の遅れも発生を助長させる。
キーワード 黒腐病、褐色腐敗病、濡れる、反復使用、追肥量が多い場合、乾燥の遅れ富山県農業技術センター 野菜花き試験場
担当機関富山県農業技術センター 野菜花き試験場
連絡先0764-32-2259
区分(部会名)野菜・茶業
専門作物病害
研究対象花き類
分類研究
背景・ねらい 水田転換畑で栽培されたチューリップは付着土壌をおとすため水洗が必要である。黒腐
病(Pseudomonas andropogonis)と褐色腐敗病(P. gladioli)はこれら地域で貯蔵中に多発す
る細菌性病害である。現在、両病害に対する登録農薬は無く、また感染時期や発病要因の
詳細は不明である。そこで、両病害の発生条件などを明らかとし、栽培時や収穫後の管理
技術を向上する。
成果の内容・特徴
  1. 両病害は水洗あるいは殺ダニ剤浸漬(チューリップサビダニ対象)処理で球根が濡れる
    ことを契機に発病し、これらを行わなければほとんど発生しない。(図1)
  2. 両病害の発生は、薬液の反復使用回数が増加するに従って増加する。また、同液中の
    褐色腐敗病細菌の濃度は使用回数の増加に伴い高くなる。(図2)よって、薬液の反復使用回数を減らすことによって、被害を軽減できる。
  3. 両病害の発生は、水洗・薬剤浸漬を行ってから乾燥開始までの時間が長いほど多いの
    で(図3)、球根表面が濡れている間に感染するものと考え
    られる。従って、被害を軽減するには水洗・殺ダニ剤浸漬後は速やかに乾燥作業にはいる
    よう収穫調整時の作業計画をたてる必要がある。
  4. 病害は追肥量が多いと、裂皮する球根が増え、発生は増加する。(表1)
  5. 黒腐病は30℃前後、褐色腐敗病は25℃前後の貯蔵温度が発生の適温である。
成果の活用面・留意点
  1. 発生要因が特定され、総合的な防除対策を指導する際の資料となる。
  2. 両病害とも球根伝染するので、健全な種球根を植え付けることが、防除の基本である。
  3. 両病害を防除するには、球根を濡らさなければよいが、その場合は、別途にサビダ
    ニ防除対策(貯蔵中の常温煙霧)や土壌の除去が必要となる。
  4. 両病害は品種間で発病差異が見られるので(平成5年度野菜茶業成果情報参照)、発
    病しやすい品種については上記成果に特に留意する。
具体的データ
(図1)
(図2)
(図3)
(表1)
予算区分指定試験
研究期間1995~1998
研究担当者守川俊幸、築尾嘉章、野村良邦
発表論文①収穫後の調整過程におけるチューリップ黒腐病と褐色腐敗病の発生要因.日植病報 (印刷中). ②チューリップ褐色腐敗病細菌Pseudomonas gladioliの選択培地.北陸病虫研報,42,1994.
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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