カーネーション白色系品種における花色発現機構

カーネーション白色系品種における花色発現機構

タイトルカーネーション白色系品種における花色発現機構
要約〔要約〕カーネーション白色系品種は、花色や色素構成の違いから3つに分かれ、純白色品種はクリーム白色品種の主要色素であるフラボノールを欠いている。それぞれの花色発現にかかる色素生合成制御機構を明らかにした。
キーワード カーネーション、色素構成、純白色、クリーム白色、フラボノール野菜・茶業試験場 花き部 育種研究室・育種法研究室
担当機関野菜・茶業試験場 花き部 育種研究室
連絡先059-268-4662
区分(部会名)野菜・茶業
専門育種
研究対象花き類
分類研究
背景・ねらい花きの園芸品種の中で白色系品種の占める割合は高く、特に純白色品種の育成は重要な育種目標となっている。数種の花きで、いくつかのアントシアニン生合成酵素の欠損による白色花の存在が知られているが、カーネーションの白色花とアントシアニン合成酵素欠損との関係を解析した知見は少ない。そこで、カーネーション白色花における花色発現と色素生合成制御機構との関係を解明する。
成果の内容・特徴
  1. カーネーション白色系品種の花色には違いが認められ、白色系品種の中でも‘カリー’、‘ホワイトバーバラ’、‘ホワイトマインド’は純白の花色を示す(図1)。
  2. 白色系品種は、その花色とフラボノイド色素の構成の違いから3つに分かれる(表1)。純白色の3品種は、クリーム白色品種で多量に存在するフラボノールを欠いているため純白の花色を示すと考えられ、生合成経路(図3)上でF3Hより前の酵素欠損の可能性が示唆された。
  3. ノーザンハイブリダイゼーション及びRT-PCR解析の結果、クリーム白色品種の‘ユーコンシム’、‘ホワイトシム’では、赤色品種‘スケニア’と比較してDFRおよびANS遺伝子の発現が転写レベルで著しく減少しており、その結果フラボノールが蓄積して、クリーム白色を示すことがわかった。これらの品種では開花直前の生育ステージで、CHS及びF3Hの発現も低下している(図2)。
  4. 純白色品種‘カリー’では、F3HのmRNAの発現が蕾の生育の初期、後期いずれのステージでも検出されないことから、転写レベルでF3H遺伝子が欠損し、その結果、無色色素のフラバノンが蓄積して純白花になっていると考えられる(図2)。
  5. フラボノイド色素が検出されない純白色品種‘ホワイトマインド’では、CHSより上流での生合成経路の遮断が想定されるが、遺伝子解析の結果からは確認できなかった。
成果の活用面・留意点
  1. 新たな純白色品種及び育種素材育成のための基礎資料となる。
具体的データ
(図1)
(表1)
(図3)
(図2)
予算区分パイオニア特研(アントシアニン)
研究期間1999~1999
研究担当者間藤正美(現 秋田農試)、柴田道夫、小関良宏(東京農工大)、小野崎 隆、池田 広
発表論文1.Differences in flower color and pigment composition among white carnation(Dianthus caryophyllus L.) cultivars. Scientia Horticulturae 82: 103-111, 1999.
2.Flavonoid biosynthesis in white-flowered Sim carnations (Dianthus caryophyllus ). Scientia Horticulturae, 84:333-347, 2000.
発行年度1999
収録データベース研究成果情報

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