せせらぎ水路の視聴覚複合刺激に対する評価と音の物理特性

せせらぎ水路の視聴覚複合刺激に対する評価と音の物理特性

タイトルせせらぎ水路の視聴覚複合刺激に対する評価と音の物理特性
要約適正な水辺環境の計画・設計のための指針を策定するため、せせらぎ水路の視覚刺激評価と聴覚刺激評価の関係を明らかにするとともに、水路形態・水理諸元別に、音のゆらぎ特性の違いを提示した。
担当機関農業工学研究所 農村整備部 集落整備計画研究室
連絡先0298-38-7669
区分(部会名)農業工学
専門農村整備
研究対象計画・設計技術
分類研究
背景・ねらい近年、親水性を持たせた水辺の環境整備か数多く実施されており、多くの地区で、「地域のやすらぎの場」として活用されている。 これらの水辺環境の快適性の評価には、視覚的効果としてだけでなく、聴覚的要素もかなりの影響を与えていると考えられ、適正な水辺空間の計画・設計に当たっては、視聴覚環境の総合的定量的な評価が必要となる。
本研究では、3つの代表的なせせらぎ水路の視聴覚要素を人が刺激として受けた場合の視聴覚刺激別の評価と視聴覚複合刺激の評価との関係を分析するとともに、水路形態や水理諸元の違いによって、水流音がどのような物理特性を持つのかを明らかにすることで、今後の水辺環境整備の計画・設計のための指針に資することを目的とした。
成果の内容・特徴
  1. ダミーヘッドマイクロホンシステムを活用した環境音計測手法により、近自然工法、渓流(土水路)、コンクリートブロック水路の3種を代表とする計6種の水流音を測定した。被験者は、九州地区88名、中国地区56名の計144名を、正順のケース1(72名)、逆順のケース2(72名)に分け(表注に刺激順を提示)た。被験者に対し、6種の水流音と水路のビデオ映像を、視覚一聴覚一複合の順で15インチモニターとヘッドホンにより提示し、各刺激毎に、非常に良い景観・音(+2点)から非常に良くない景観・音(-2点)まで5段楷の評定尺度で評価を求め(カテゴリーの距離尺度化は実行済み)、平均評点を算出した。その結果、地域差、順序効果の影響は少なく、視聴覚刺激ともに、コンクートブロック水路の評価か低く、渓流(土水路)の評価が高い。
     また、視聴覚の複合刺激に対する評価と視覚・聴覚の個別刺激に対する評価の関係は、Ea=-0.082+0.822Es+0.441Eh(重相関係数は0.98)で表され、複合評価では 聴覚より視覚の評価の重みの方か大きい。(表1),(図1)。
  2. 水路形態や水理諸元の違いによる水流音の物理特性として音圧の時間軸方向のゆらぎ特性(図2)を見ると、視聴覚刺激ともに評価の低かったコンクリート素材の水路は、「1/f2と1/fOゆらぎ」の合成された傾き、評価の高かった土素材の水路は「1/f(一般的に、1/fゆらぎ特性は自然界に多く存在し、人に快い感じを与える特性とされている)」の傾き、中間の評価となった近自然工法の水路は「1/f2~1/f」となっており、代表的な3種の水路は、それぞれ、ゆらぎ特性に違いがある。
近自然工法の水路は、施工後直後は、コンクリートブロック水路の持つゆらぎ特性と土水路の持つゆらぎ特性を併せ持っているか、経年的な変化によって、水路床や法面か自然になじみ、徐々に1/fの傾きに近づくことも定性的に確認されており1/fゆらぎを考慮した水路設計や、より早く自然になじむ施工法開発のための基礎的指針が得られた。
成果の活用面・留意点環境整備の計画・設計指針の参考資料として寄与する。今後、さらに、多くの現場の水流音の計測を実施し、視聴覚要素ともに評価の高い設計事例を分析する必要がある。
具体的データ
(表1)
(図1)
(図2)
予算区分経常、依頼研究論文等水流音(せせらぎ音)の検討一水辺空間の音環境評価に関する研究(Ⅰ),平成6年度農土学会大会講演要,P420~421,1994
研究期間1994~1998
発表論文水流音(せせらぎ音)の検討一水辺空間の音環境評価に関する研究(Ⅰ),平成6年度農土学会大会講演要,P420~421,1994水辺環境整備の一視点として一水流音の検討について, ARIC情報No.34.P31~37,1994
発行年度1995
収録データベース研究成果情報

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