19.IKONOS衛星データを用いた水田利用タイプの判別手法

19.IKONOS衛星データを用いた水田利用タイプの判別手法

タイトル19.IKONOS衛星データを用いた水田利用タイプの判別手法
要約高解像度のIKONOS衛星データと水田区画のGISデータを用いて、中山間地域等における水稲作田と耕作放棄田を区画単位で高精度で迅速に判別することができる。農業工学研究所・地域資源部・土地資源研究室
区分(部会名)農業工学
背景・ねらい近年、農地環境緊急対策事業や農村振興地理情報システム整備事業により、地理情報システム(GIS)の基礎データとして、航空写真デジタルオルソ画像や農地区画、施設等に関する空間データの整備が進められている。これらの事業では、中山間地域における耕作放棄等による土地利用状況の変化に対応するため、簡易な情報更新手法の開発が検討課題となっている。そこで、IKONOSによる高解像度(解像度1m)の衛星データを利用した水田の利用状況を区画単位で判別する手法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 福島県東和町に調査地区を設け、IKONOS衛星の撮影日(2001年7月9日)の1週間後に調査地区内の水田利用状況を踏査し、各水田区画を水稲作田(生育中期)、転作田(畑作;主に生育初期の大豆)、不作付田(農地の維持管理あり)および耕作放棄田(すぐに耕作を開始しない田で、農地の維持管理なし)の4つの利用タイプに区分した(図1)。使用したIKONOS衛星データは青、緑、赤、近赤外の観測データで1mに補正したものを使用した。

  2. 航空写真デジタルオルソ画像(ディジタル化し歪みを補正した画像)を基準画像として精密に幾何補正(ラバーシーティング法)したIKONOS衛星データと、同オルソ画像から作成した水田区画データを用いて、①水田領域の画素のみに対して求めた分類項目の統計量から分類を行い、②次にその画素単位の分類結果を区画毎に集約するという手順(図2)で、調査地区内の水田の利用タイプを判別した。


  3. 水稲作田及び耕作放棄田の正答率は、各々96%、80%であった。一方、転作田及び不作付田の正答率は70%を下回った(表1)。このため、正答率の平均は72%であった(ただし、地区全体としての正答率は87%)。

  4. 不作付田は、主に生産調整上の自己保全管理水田(作付けはしないがすぐに耕作できるよう管理している水田)であり、耕起や除草が不定期に行われていたため植被の状況は区画間でかなり異なっていた。不作付田の正答率がかなり低かったのは、その地表面の違いによる反射特性が区画間で大きく異なり、かつ他の利用タイプのものと類似していたためであると判断された(図3)。

成果の活用面・留意点この手法は、水田の4つの利用タイプのうち、水稲作田と耕作放棄田を高い精度で判別できるため、行政部局が進めているGISデータ整備における水田の利用状況の更新の方法として有望である。

予算区分委託プロ[農地基盤情報]
研究期間2000~2002
研究担当者原口暢朗、小川茂男、島 武男、福本昌人
発表論文福本昌人、島 武男、小川茂男、IKONOS衛星データを用いた水田利用タイプの判別精度、システム農学19(1)、80-85、2003.
発行年度2002
収録データベース研究成果情報

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