23.衛星データを用いた水田水入れ時期の広域推定手法

23.衛星データを用いた水田水入れ時期の広域推定手法

タイトル23.衛星データを用いた水田水入れ時期の広域推定手法
要約 合成開口レーダデータ、光学センサーデータ、土地利用データを用いて、広域の水田を対象に水入れ時期を把握し、マップを作成できる。
区分(部会名)農業工学
背景・ねらい 水田の水入れ時期の把握は、農業水利計画や広域の水管理に必要であり、調査する必要がある。このため、水入れの実態調査は農家への聞き取り調査や水田の現地調査によって行われている。しかし、広域の水入れ時期の把握に多くの労力と時間が必要である。また、水入れ時期の確認方法が問題になっている。
そこで、天候に左右されない合成開口レーダ(SAR)データと光学センサーデータ及び土地利用データを用いて、広域の水田を対象に水入れ時期を調査し、広域の水田の水入れ時期を把握する手法を開発した。
成果の内容・特徴
  1.  コストはかかるが天候に左右されず観測要求が可能なSARデータと天候に左右されるが安価な光学センサデータを組み合わせ、細密数値情報10mメッシュ土地利用データの「田」の項目について水入れ時期を衛星データ毎に推定し、データを順次重ね合わせて水入れ時期を推定した(図1)。代かき時に水田に入水・湛水すると、RADARSATの後方散乱が小さくなることやLandsat/ETM+データの近赤外、中間赤外の反射が低下する特性から入水した水田を推定できる。また、分類結果と統計データを比較し検証した。
  2.  田植えが5月上旬から6月上旬まで行われる尾張西部地区を解析対象地域とし、SARデータとしてRADARSATデータ(2002年5月17日、5月26日観測)、光学センサデータとしてLandsat/ETM+データ(2002年5月20日、6月5日観測)の4データを用いた。
  3.  衛星データから推定した田面積と統計値の関係から、水稲作付け面積を推定した。ここで推定した市町村単位の水稲作付け面積と農林統計データを比較すると高い精度で推定が可能であった(図2)。これらの結果から、水田の抽出精度は高いと推察される。
  4.  市町村単位で水田の水入れ時期を集計すると、下流(図3の下側)から上流域に移っていき、対象地域の上流域および中央部でもっとも水入れが遅いことが読み取れる。このように集計することで、全体的な水入れ状況の把握が可能である。Landsat/ETM+データ(30mメッシュ)、RADARSATデータ(処理後8m、3.125m)を用いており細かな水入れ時期の違いが把握でき、また、地図と重ね合わせて出力することにより詳細な分布状況が把握できる(図4)。

成果の活用面・留意点
 RADARSATデータは確実に観測できるが、光学センサデータは天候に左右され必ずしも適期に観測できるとは限らないので利用するにあたり注意する必要がある。



具体的データ
図表
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予算区分交付金研究
研究期間2001~2003
研究担当者吉迫 宏、小川茂男、島 武男、福本昌人
発行年度2003
収録データベース研究成果情報

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